前日まで降っていた雨も上がり、この天気だと野外での薪能になると喜んで出かけたのだが、会場は伝承館(立派な能舞台はある)にすし詰めになっていた。皆さん、この日を待ちわびたのだと思う。
「大江山」は、所謂、源頼光と酒呑童子の戦いの話である。
都では、若い娘や子供が次々に鬼に拐われて人々は不穏な毎日を過ごしていた。
源頼光は、屈指の家来を引き連れ山伏に変装して大江山に入る。
源頼光は、屈指の家来を引き連れ山伏に変装して大江山に入る。
酒呑童子の住処を探してこいと言われた供の一人が、川で着物を洗っている娘を見つける。
娘は知り合いで「毎日、血のついた衣服を洗っている。川が赤くなりそうだ。」と言う。
娘は知り合いで「毎日、血のついた衣服を洗っている。川が赤くなりそうだ。」と言う。
お供の一人は彼女が酒呑童子の住処に帰ると知り、源頼光に告げる。
4人は、酒呑童子の屋敷に招かれる。
源頼光達と酒呑童子は酒を酌み交わす。
酒呑童子は、この大江山に来た謂れを話す。
すっかり酔ってしまった酒呑童子は、寝屋に入る。
黒い幕の中には泥酔した酒呑童子が寝ている。
その寝込みを源頼光達が襲うのだが。
計られたと知った酒呑童子が怒り狂う。
あの穏やかな童子の顔は跡形もなく、鬼の形相に変わる。
ついに倒される。物語はここでお終い。
ただ、お供の者は、洗濯をしていた娘にナンパし、一緒に都へ帰って夫婦になろうと持ちかける。娘は「やれ、恥ずかしや。」と言いながら去っていく。
教訓:酒呑童子と言えども、酒は身を滅ぼす。