無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

鐙屋と賽道幕

2015-02-15 12:35:51 | 酒田

市役所前の鐙屋へ行った。

外観は桜の頃の物である。鐙屋は文化財として一部復元された。

屋根が見えるだろうか、酒田の家の屋根は杉皮葺きの上に玉石を敷き詰める。風が強いので飛ばされないようにしたのと、火事が多かった為に茅葺きは殆ど無かった。まさか大店の鐙屋さんが母屋も杉皮葺きだったとは・・・。

酒田の強風時の大火から家を守る為に、屋敷の西側へこんな仕掛けがしてある。屋敷には土塀を巡らし、その脇に土蔵を置き、樹木を植えて本宅を守る。現存する物では本間家本邸の物がある。鐙屋では土蔵は本宅を守る位置には建っていない。

鐙屋へ行ったなら、一番目に着くのは玄関から裏の庭まで続く、広い土間だろう。土間から各室に入る京風の間取りになっている。

何かの文献で、当初の鐙屋は京都から大工などの職人を連れてきたと書かれてあったので、関西間なのかと部屋を測ってみたら、普通の関東間だった。ちょっと残念。

雪のある鐙屋の庭を見たのは初めてだった。こんな風に文化財になる前は、公民館のように部屋を貸していたのか、私も若い頃に着物の着付けを習いに通ったものである。その頃とは間取りがちょっと違う。教室に通うのは夜だったから、庭を眺めた記憶もない。

さて、今回は某雑誌の取材に同席したのだが、丁度「酒田の賽道幕展」が行われていた。賽道幕とは、小正月に当番の家の軒に飾った大きな幕である。

これは酒呑童子を描いた物。

私達が一番目にしている酒田の町を描いた賽道幕。酒井家の国替えが阻止されたのを祝った酒田の町だそうだ。右隅に「土門」の文字が見えるだろうか。

写真家の土門拳の祖父が染めた幕なのだそうだ。

一般の家々の屋根は、杉皮葺き玉石敷きだ。店の間口が狭いのは、間口で税金が違っていたからである。

一番家に、本間家が描かれてある。道中の人々の賑やかな様子は、タイムマシンで行きたい気持ちにさせてくれる。

酒田の瓦は赤瓦だった。黒瓦だとばかり思っていたが、赤が高級品だったらしい。本間家を含む大店や神社仏閣、大店の土蔵に赤が見える。

街中では、酒や西瓜が振る舞われていた。西瓜は何故か黄色だった。芸子も花魁も、侍達も、酔っぱらいも描かれている。

写真では雰囲気しか伝わらないので、是非に本物を見て欲しい。

今回は全部で3枚の賽道幕が飾られていた。これは合戦の様子を描いた物だ。

 

 

おや、これは源平合戦ではないかな。

 

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