地震の多い日本では、応急危険度判定士と言う制度がある。被災された建物に、赤(危険)、黄色(要注意)、緑(調査済)の紙が張られているのを見たことがないだろうか。「大地震により被災した建築物を調査し、その後に発生する余震などによる倒壊の危険性や外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定することにより、人命にかかわる二次的災害を防止すること」を目的にした制度で、地震が起きると、この資格を持った建築士は駆り出される。
もっとも迅速に数をこなせるのは、宮城県の建築士達である。宮城県は過去にも地震の回数が多く判定の経験が多い為、出動も早ければ、何をどうすれば良いのかが判る。地震の少ない地方だと、自らが被災している為に準備にも事欠く。熊本地震の際には、宮城県の判定士が赴き、初回の陣頭指揮を執った。それでも、熊本県では判定の遅れがあったと言われている。慣れていないからだ。宮城県の判定士のプロになると、一日一人40件を行ったと言われている。
山形県の応急危険度判定士達は、新潟中越地震から本格的に動いている。東日本大震災の時には、担当する県が福島だった為に出来ない所が多く、他は自分たちで行うのでと断られたらしい。
さて、この度、酒田市と(一社)山形県建築士会酒田支部とで「、災害時に於ける被災建築物応急危険度判定業務に関する協定締結」の調印式が行われた。震災時、判定士達は振り分けられた各コミセンに集まり、判定を開始することになった。この判定は、火災保険の判定とは違い、建物が被災しているか、使えるか、危険かをいち早く知らせるものである。
支部総会の後に、この調印式は行われたが、料亭での総会なので、雰囲気がまるで明治の頃の外国との調印式のようである。
おまけ:総会懇親会でのご馳走。乾杯は、香梅咲の梅酒で行われた。山形県条例では、地酒で乾杯することに決まっている。梅酒も地酒なのである。
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