無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

弘前市斎場

2017-07-01 13:35:46 | 建築・都市・港

今回の弘前市での目的は、市内に9箇所もある建築家前川國男作品の1つとして、市役所の改築工事を見学することだった。何故、北国の地方都市なのに、前川作品がこんなにも現存しているのか、また古くなった施設を取り壊すのでは無く、保存し使用すると言う選択を、弘前市は実行する。その方が、もしかして工事費が高いのかも知れないが、良い建築を残すことは文化の伝承にも役立っていると感じる。

午後からが市役所の見学だったから、朝早く酒田を出て、午前中の内に前川作品の1つの弘前市斎場が見たいと思った。

寺町の外れから、少し下がった小高い丘の上に、この斎場は作られていた。炉前ホールからも、故郷の山岩木山が見える。弘前の人達は、人生の最後に、岩木山に見守られながら、この世を旅立つことが出来る。

玄関の車寄せ。

駐車場の広さもそうだが、丘陵を利用した庭がうまく配置されていた。特に待合室からは、お互いが顔を合わせないように、四方に向けて庭を見ることが出来た。

午前中は、少なくとも2組の家族が入っていた。事務室に挨拶に行くと、外観は撮しても構わないが、内部は午後の4時半頃でないと、入る事が出来ないのでと断られた。その時には、外観のみでも構わないと思っていた。

建物が建設されてから、数十年も過ぎているが、やはり前川作品だと言うので、全国から見学者が絶えないのだろう。斎場の詳細が書かれたペーパーを、一人づつ頂いてきた。

人間の炉とは離れて、動物炉があった。

炉前ホール棟から玄関を見る。

待合室棟

市役所見学で、H先生と合流する。「君たちだけ斎場を見に行ったのか。僕はまだ見てない。」と再度この場所を訪れることになった。午後4時過ぎになり、内部も見ることが出来たのだった。

炉前棟と、待合棟をつなぐ渡り廊下。石庭が見える。

実際の池はなかったが、枯山水が両側に設置されていた。この世とあの世の結界である。

待合からみた庭。

 

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