無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

タイル

2008-01-08 20:53:19 | 建築・都市・港


これがリヒテム・パシャ・ジャーミーのイズニックタイルである。イスラム教は徹底して偶像崇拝を嫌い、モスク内の装飾であるタイルにも、鳥や動物さえ省き、草や花、幾何学模様を連続して描いた。青を多く使用している為に、全体が青に見えるが、その青の種類も濃紺から水色、緑がかった青と種類が豊富だ。



イズニックタイルは、シナンの生きていた一時期だけ作られ、後は衰退してしまった。特徴は青ではなく、赤色にある。日本でも赤色を出すのに苦労して名をはせた柿右衛門がいるが、赤色は非常に難しいのだそうだ。塗る時に、少し盛り上がり気味に塗る。薄いとピンクになり、厚いとヒビが入る。微妙な筆加減が必要なのだと、イズニックタイルを再現させようと努力している職人が言った。学生達も手伝っている。



このイズニックタイルは、相当高価な物だったようだ。タイルの重さと同等の金で支払われたとも聞く。トプカプ宮殿のハレムにも、タイルが貼られていた。並んで螺鈿細工(らでんざいく)も貼られている。これとて高価に違いないが、タイルの価値も相当のものだったろう。



グランドバザールの中に、アンティークなものばかりを集めた一画がある。そこでもイズニックタイルが売られていた。新しい物だって高いのに、アンティークともなれば、どれだけになるのか想像も着かない。恐くて値段を聞けなかった。





トルコはチューリップの原産国でもある。タイルのモチーフにも、チューリップが多い。
上薬の下から透き通るような赤い花びらが現れると、ため息が出てしまう。私のカメラマンとしての腕では、この感動を伝える事は出来ない。ぜひ、一度行ってみて欲しいと思うのは、観光客を増やす元凶なのだが、致し方ないなとも思う。



コメント (4)
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