「皆で頑張っていこう」「一人じゃないよ」と伝えたい。と語るのは仙台フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスターの神谷未穂さん。新聞のてい談での言葉だ。
３．１１の時、仙台フィルはコンサート会場で被災した。「私たちにできることは音楽を届けること」以外ないと、震災発生から約２週間後に「音楽の力による復興センター」事業を立ち上げ、被災地での演奏活動を２３０回以上も続けてこられた。
昨年４月名取市文化会館で、何百人もの避難者がいて、安否確認のアナウンスがひっきりなしに流れていた。そのアナウンスが途切れたときに演奏を開始。最初は聴衆も数人だったという。終盤になって立ち見が出るほどに。
「音楽で元気を送りたい」というより「音楽で祈るしかない」と思った。復興への祈りを込めた演奏だったという。
音楽は、がれきを撤去する力は無いけれど、人々に勇気と希望を贈ることが出来る。東日本大震災で、心の復興を願って行動した人は数知れない。「一人じゃないよ」との励ましにどれだけの人が救われたことか・・・