コウヤボウキ(高野箒)も面白い姿をしている花だが、ガガンボがお好みの花のようだ。関東地方以西に自生するキク科の落葉小低木だそうで、花が少なくなった晩秋には林縁でよく見掛けるので、いつも今頃になると撮っている。去年は11月14日に載せていた。
いずれもそれぞれ別の湿地で撮ったウメバチソウだ。生えている場所が違うと、花の様子が少し違うように見えるが、蕊は実に絶妙な形をしているとあらためて思う。3枚目の画像は尾張旭市の吉賀池湿地の公開日に撮ったものだが、雄蕊には朝露が付いていて印象的だった。
昨日のスイランと同様に、先月下旬に撮った画像だから、かなり時期遅れになってしまったが、愛知県森林公園で咲いていたウメバチソウ(梅鉢草)だ。9月21日に載せたシラヒゲソウの仲間だ。細長い茎の先端に花が一つだけ咲き、葉も茎の中程に1枚だけ付いているというのが面白い。どちらが先なのか知らないが、菅原道真や前田利家などの家紋は、このウメバチソウの花がデザイン化されているそうだ。
秋の湿地で咲いていた花に戻るが、これはスイラン(水蘭)だと思う。ランとは付いていてもキク科だそうで、根元にある細長い葉がシュンランに似ていることが名前の由来らしいが、蘭の花にはほど遠く明らかに菊の花に見える。県によっては絶滅危惧種に指定しているところもあるようだが、愛知県では秋の湿地でよく見掛ける。東海地方以西の湿地に自生するそうだから、関東地方以北では見られないかもしれない。花に来ていた虫はホソヒラタアブのようだ。
秋も深まり、咲いている野の花を見掛ける機会がめっきり少なくなってきた。道端の木陰でアキノキリンソウ(秋の麒麟草)が咲いていたが、これももう終りに近いだろう。セイタカアワダチソウと同じキク科で、黄色の花がやや似ているということから、ベンケイソウ科のキリンソウに喩えて名付けられたものだという。単にアワダチソウとも言うようだ。
先月下旬の画像だから花はもう終わったのかもしれないが、ミゾソバが小川のソバで咲いていた。花は長さが5mmくらいと小さいが、近くでよく見ると綺麗で可愛らしい。道端でよく見掛けるイヌタデと同じタデ科だが、我々が食べるソバ(蕎麦)も同じタデ科だから葉や花の姿はよく似ている。
紅葉シーズンにはもう少し時間が掛るのに、このところ朝晩は急に肌寒くなってきて、空気が澄んでいるせいか、夕陽が綺麗に見えるようになった。いつもの散歩コースの夕陽は沈む場所がだいぶ南になり、これから日長時間が一番短くなる冬至の頃には、この橋の左端にまで少しづつ移動していく。散歩の途中で昨日と一昨日に撮った夕景だが、前回9月23日に載せたように、橋の上からの夕景を撮ろうと思っていたのに、両日とも僅かに出遅れて間に合わなかった。河川敷のナンキンハゼは、葉が少しだけ色付き、実も緑色から次第に黒くなって、僅かながら白い実もでき始まっている。
公園を散策していたら道の真ん中で色が鮮やかで綺麗なハンミョウ(斑猫)を見付けた。近づくとちょっと先まで飛んでまた着地して留まるので、“道教え”と言うそうだ。動きがけっこう素速くて逃げ足が速いので、前から上手く撮れなかった。土の中に穴を掘って生活している獰猛な肉食昆虫で、体長は2cm足らずと小さく見掛けは綺麗だが、毒は持っていないものの、鋭い大顎で噛まれるとかなり痛いらしい。