まなびの途中

色々な仕事をしてまいりました。
色々な出会いがありました。
勘違いもありますが、
学んだことを書いてまいります。

薬害というキーワードに関して。

2007年02月22日 | 社会的全般
このまま、東京は、「冬」という季節を通り過ぎ、
秋から春へ、一直線。
多分、色々な問題も、弊害も、そこにはあるんだろうが、
四季折々の風景も肌感覚も、「温暖」であればよろしいに、
そんな気分を、気象予報しにしても、キャスターにしても、
言葉の端々に感じられる。

昨年の、激烈な「インフルエンザ」も、どうやら大きな問題には
なりそうにない。
が、
その特効薬として、今最も効果が高いと言われている「タミフル」。
少年の異常行動との関連性が問題になっている。

昨年も、その報告の真偽が問われ、
一応、関連性を認められないという決着をみたようだが、
先日のテレビ報道では、
何とか、タミフル「由来」の問題を喚起しようと、熱が入っていた。

「薬事書」という、市販されている薬の箱の中に入っている
普通、1枚程度の説明書。
薬局で手渡される際には、普通、薬事書を見ることが出来ない。

そのテレビでは、タミフルの薬事書を引っ張ってきて、
副作用の項目を映し出し、
異常行動、妄言、など、記入されている「事実」を公開し、
注意を喚起していた。

つまり、薬事書にも書かれているわけだから、メーカーも認めている事例。
だから、「起こるんだよ」という説明らしいが、
最近の薬事書は、真偽が確かめられなくとも、
そういう報告があれば、自動的に、可能性も含めて、
記載することになっている。

もちろん、結果的にお亡くなりになった方がいる以上、
言葉を選んで書きたいんだが、
科学、化学というものは、当たり前だが、「再現性」が重要な要素になる。

異常行動に関する「データ」が、仮に因果関係を証明するにしても、
昨年、1080万人に処方されたタミフル。
厚生省の報告によると、昨年、死亡が確認された件数は、

  中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)※1及び腎不全※2による死亡2例につい
  ては因果関係を否定できないものの、それ以外の24例についてはタミフルと
  死亡との因果関係は否定的であるとされています
  ※2 タミフルと腎不全との因果関係が否定できない事例が、これまでに10例 
    (死亡例は本例のみ)報告されています。
  ※3 タミフル発売(平成13年2月)後に厚生労働省に報告された事例につ
    いては上記のとおりですが、これとは別に、タミフルの製造販売業者は、
    そもそもタミフルとの因果関係がないものとして死亡8例を把握している
    と聞いています。

完全ではないのだが、合計で、疑わしいものを含めて、
2足す24足す10足す8で、44例。
いずれも、平成17年度のものだが、
0.000004%。

今現在、多分、この「数値」が、ある種の判断基準になっていることは
間違いないことだろう。
報道では、厚生省が、「認めない」ことに対して、
苛立ちや不作為を「非難」していたが、

確かに、過去の薬害の事例を見るまでも無く、
起こってからでは、遅い。
しかも、過去の事例から言っても、「信用」が無い。
特に、厚生省に対してだ。

ただ、昨年、インフルエンザ由来で死亡した人数は、1800人。
今年は、暖冬のおかげ?で、大きな問題にはならなかったが、
すでに、薬局では、タミフル報道にともなって、
患者に間で、緩やかな不安が漂い始めている。

何しろ、罹ったかな?というタイミングで投薬されないと、
効果が出ない薬である。
しかも決められた日数、服用しないと「耐性」すら持ちかねない
そういうウイルスである。

現に、ウイルスとは「戦い」だと、そう宣言できる状況の中、
インフルエンザを「なめ切って」はならないし、
そういう覚悟を持って、このウイルスに立ち向かわなくてはいけないはず。
確かに「薬害」を認識することは大事だが、
誤解を恐れずに言うのであれば、
不安を煽るのは、こっちのほうでは、無いはずだ。