まなびの途中

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しがらみのない「有権者」に期待?するしかない。

2007年02月15日 | 本・映画
まだ読みかけの段階なんだが、
田中康夫氏の「日本よ」という本を読んでいる。
本日は、宮崎県知事の東国原氏の所信表明があったようだが、
「しがらみのない」県政というものが、
どういうものか、この本を通して、少し理解できたようだ。

彼が本であげている統計だが、
これだけ、地方財政の財政難を言って、小さな政府を国が標榜している中で、
「1995年を100として、2004年までの十年間の歳出総額を
 国と地方で比較します。
 国の歳出総額は108.1%と増加しています。
 他方、地方の歳出総額は85.6%と減少しているのです。」

これと同時に公務員の数の数値をあげているが、
国家公務員の数は、2001年を100とした場合、
1.5%減、に対して、地方公務員は7%減。

一方で、独立行政法人の平均給与は、国家公務員の給与を100とすると、
107.4%と、いわば焼け太りをしている、などの数値。

彼は、新党日本の党首でもあるわけで、野党的な発言を了解した上で
読み進めなければならないが、
自民党が進めてきた「構造改革」は、
どうにもこうにも、国の放漫経営の「つけ」を、
地方財政を名分にして、尻拭いさせている?そんな感じを受けるし、

本当に財源移譲をさせたいんだったら、
徴税機能は、全て、地方にやらせて、国への配分を、後渡しすればいい話。
まぁ、中央集権国家体制が崩壊するのは目に見えているんだけど、
さらに言うと、独立行政法人が、
音を立てて崩壊していく「効果」もありそうだけど。

さてさて、県知事が、このように、行ってきたことを、
考えていることを、かような本にまとめることなんて、
多くが出来ることではないだろうけど、
田中氏が、事実、行ってきたことが、非常にわかりやすく書かれている。

そして、国からの助成金を、排除しながら、県政というものが、
どのように出来て、維持できるかも、可能性を示してくれる。

ただ、昨年の選挙で、財界からの支持を失った理由も、よく理解できた。
だって、国からの助成金や、補助金を当てにしなければ、
特に、金融機関なんて、ただの「箱」です。
国が、何十億もの金を、車で持ってくるわけではないからね。

支払いの決済だって、地元の金融機関を通すわけで、
手数料収入だって、減収するだろうね。
さらに、補助金で建てる、何するにしても、地元の会社には
彼が言うように、3割程度の仕事しか回ってこないのも事実で、
多くは、都市圏のメガ企業が持っていく。

とはいえ、そういう「規模」の公共事業は、端的に雇用を生じもし、
税収に寄与することはないけれど、
金融関係や、地元の「経済」には寄与するのは確実。

彼は、確かに、「やり過ぎた」のかもしれない。
キャラクターが、万人に受け入れられるとはとても思っていなかったが、
ばっさばっさと切捨てた事業なり補助金。
手作りの公共事業。

長野県の市長、村長など、田中氏を支持する者がいたのは、
事実でしょう。
リーダーは、彼の手法を見て、感じ入ることがあったはず。
でも、選挙には、勝てないかもしれない。

そうなると、いくら高邁な理念なり、手法を持っていたとしても、
マスコミも、財界に媚を売っているし、
金融関係も、中央に媚を売っているし、
産業に携わっている人たちも、財界、中央に逆らえないし、
「大人の利害関係」って、
考えれば考えるほど、盗んだバイクで走り出す若者の気持ちがわかろうというもの。

結局、しがらみのないのは、「有権者」という結論になるんだが。
だめかな、若者たちは。