たまたまこういう「記事」をネットで見かけた。
NBonline という日経ビジネスが行っているサイト。
その中のコラムで竹中 正治氏が「ニュースを斬る」というタイトルで
2007年10月25日にアップされたもの。
「所得格差拡大論の誤謬」
最近では、医療費が払えなくて公園に捨てられてしまった患者の話や、
「無保険者」として、病を抱えながらも、働き続ける方の話や、
ネットカフェ難民、日雇い作業のいける派遣従業員の悲劇など、
毎日毎日、まるで社会から「切り捨てられていく」人々のニュースの嵐。
国の政策が悪いのか、問題はどこにあるのか、
内容を見る限り、救いようのない社会の「歪」が、深刻さを増しているようだ。
あの不況であった10余年。
その影響が深刻であったのか、どうなのか、
実は、今もって、なぜ、こうも社会が「機能不全」を起こしてしまっているのか、
明快な回答を寄せるメディアを見たことがない。
話としては、格差社会、規制緩和の弊害、アメリカのスタンダードこそが元凶。
細かいきっかけなり、その社会システムの変化、そして勤労の意味の変化など、
あげれば、多分、多く語ることができるかもしれない。
が、
なぜ、こうも、社会的な難民が、毎日ニュースで取り上げられるほど、
深刻化しているのか、
「ずばり」がなんだかわからない。
先日発表された「いじめ」の報告であるが、
いきなり6倍以上も数が増加された。
この数は、それこそ、調査の内容を変えたとはいえ、
あまりにも、それこそ、日常的でどこにもここにも「起こっている」
それくらいの数になってしまった。
本当に、その極端な数を見せられると、もう、その深刻さのレベルが
もはやわからないくらいになってしまって、
いやー今日も「いじめ」がおこっちゃって、みたいな現象に化している。
たとえば、格差社会においても、その報告の原典となっているのは、
「平成17年、所得再分配調査報告書」(厚生労働省)によるものだが、
そこで明らかにされているのは、世帯所得の格差が実態的には拡大していない事実。
日本の所得格差を他国と比較してみよう。これについては10月に発表された
IMF(国際通貨基金)の調査リポート(World Economic Outlook Oct.2007、
「グローバル化と不平等」)が興味深い。
IMFのリポートは各国の1人当たりの年間所得を低い方から20%、次の20%と5
分位に分けた所得分布を推計している。
最高所得層(上位20%)が最低所得層(下位20%)の何倍の年間平均所得を得
ているか(所得格差倍率)、またその所得格差倍率が過去数年拡大しているか
どうかで各国の格差の状況を比べてみたのが表である。

この報告書によると、日本の下位20%の1人当たり平均所得に対する上位20%
の所得格差倍率は1994年時点で2.27倍であり、対象として挙げられた代表的な
9カ国(米国、英国、フランス、日本、ロシア、ブラジル、中国、インド、メ
キシコ)の中では一番低い(格差が小さい)。
アメリカの8倍とか中国の12倍とか、聞いている「話」と、ほとんど変わりない
その姿と一致している。
が、日本は、この10年ほとんど変わりがない。
全然、世間で言われている姿と一致していない。
ある漫画がまた評判を呼んでいるようだが、
結局、日本では、転職したり転々と仕事を変えていく数は、
実は増えておらず、ほとんどが、普通に同じ職場に留まるとされている。
逆に、生涯賃金は、同じ職場のほうが結果的に得られる賃金が「上」だとも。
自分は、それこそ毎日といっていいくらいの感覚で、
スキルアップを生かした、転職によるサクセスストーリーとか、
生涯雇用制度の崩壊とか、ヘッドハンティングによる、
年収アップの方式など、さも日常のように思っていたし、
所得格差の拡大など、もう、結構、アメリカと同じくらい、
開いちゃっているんだと、そう、テレビとか週刊誌、新聞で慣らされてきた。
が、本当は、どうなんだろう。
なんか、聞いていた話と違う。
何かが過剰反応している気がする。
本当に、どえらく、格差社会や、深刻ないじめの数が増加しているのだろうか?
自分が生きてきた「過去」と、まったく違うレベルの時代が
今、ここに、本当にあるのだろうか?
実は、最近、よくわからなくなってきている。
もちろん、地方の疲弊は知るところなんだが、
また、高齢者のあり方など、それも知っているのだが、
本当に、問題は、どこにあるのか、わからなくなっている。
NBonline という日経ビジネスが行っているサイト。
その中のコラムで竹中 正治氏が「ニュースを斬る」というタイトルで
2007年10月25日にアップされたもの。
「所得格差拡大論の誤謬」
最近では、医療費が払えなくて公園に捨てられてしまった患者の話や、
「無保険者」として、病を抱えながらも、働き続ける方の話や、
ネットカフェ難民、日雇い作業のいける派遣従業員の悲劇など、
毎日毎日、まるで社会から「切り捨てられていく」人々のニュースの嵐。
国の政策が悪いのか、問題はどこにあるのか、
内容を見る限り、救いようのない社会の「歪」が、深刻さを増しているようだ。
あの不況であった10余年。
その影響が深刻であったのか、どうなのか、
実は、今もって、なぜ、こうも社会が「機能不全」を起こしてしまっているのか、
明快な回答を寄せるメディアを見たことがない。
話としては、格差社会、規制緩和の弊害、アメリカのスタンダードこそが元凶。
細かいきっかけなり、その社会システムの変化、そして勤労の意味の変化など、
あげれば、多分、多く語ることができるかもしれない。
が、
なぜ、こうも、社会的な難民が、毎日ニュースで取り上げられるほど、
深刻化しているのか、
「ずばり」がなんだかわからない。
先日発表された「いじめ」の報告であるが、
いきなり6倍以上も数が増加された。
この数は、それこそ、調査の内容を変えたとはいえ、
あまりにも、それこそ、日常的でどこにもここにも「起こっている」
それくらいの数になってしまった。
本当に、その極端な数を見せられると、もう、その深刻さのレベルが
もはやわからないくらいになってしまって、
いやー今日も「いじめ」がおこっちゃって、みたいな現象に化している。
たとえば、格差社会においても、その報告の原典となっているのは、
「平成17年、所得再分配調査報告書」(厚生労働省)によるものだが、
そこで明らかにされているのは、世帯所得の格差が実態的には拡大していない事実。
日本の所得格差を他国と比較してみよう。これについては10月に発表された
IMF(国際通貨基金)の調査リポート(World Economic Outlook Oct.2007、
「グローバル化と不平等」)が興味深い。
IMFのリポートは各国の1人当たりの年間所得を低い方から20%、次の20%と5
分位に分けた所得分布を推計している。
最高所得層(上位20%)が最低所得層(下位20%)の何倍の年間平均所得を得
ているか(所得格差倍率)、またその所得格差倍率が過去数年拡大しているか
どうかで各国の格差の状況を比べてみたのが表である。

この報告書によると、日本の下位20%の1人当たり平均所得に対する上位20%
の所得格差倍率は1994年時点で2.27倍であり、対象として挙げられた代表的な
9カ国(米国、英国、フランス、日本、ロシア、ブラジル、中国、インド、メ
キシコ)の中では一番低い(格差が小さい)。
アメリカの8倍とか中国の12倍とか、聞いている「話」と、ほとんど変わりない
その姿と一致している。
が、日本は、この10年ほとんど変わりがない。
全然、世間で言われている姿と一致していない。
ある漫画がまた評判を呼んでいるようだが、
結局、日本では、転職したり転々と仕事を変えていく数は、
実は増えておらず、ほとんどが、普通に同じ職場に留まるとされている。
逆に、生涯賃金は、同じ職場のほうが結果的に得られる賃金が「上」だとも。
自分は、それこそ毎日といっていいくらいの感覚で、
スキルアップを生かした、転職によるサクセスストーリーとか、
生涯雇用制度の崩壊とか、ヘッドハンティングによる、
年収アップの方式など、さも日常のように思っていたし、
所得格差の拡大など、もう、結構、アメリカと同じくらい、
開いちゃっているんだと、そう、テレビとか週刊誌、新聞で慣らされてきた。
が、本当は、どうなんだろう。
なんか、聞いていた話と違う。
何かが過剰反応している気がする。
本当に、どえらく、格差社会や、深刻ないじめの数が増加しているのだろうか?
自分が生きてきた「過去」と、まったく違うレベルの時代が
今、ここに、本当にあるのだろうか?
実は、最近、よくわからなくなってきている。
もちろん、地方の疲弊は知るところなんだが、
また、高齢者のあり方など、それも知っているのだが、
本当に、問題は、どこにあるのか、わからなくなっている。