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デジタル庁?

2020-09-21 | 日記

新内閣が発足し、政策の目玉の一つがデジタル化・デジタル庁の新設らしい。デジタルかアナログかという話は、40年前のレコードかCDか?という話を思い出させる。もう少し近くではフィルムカメラかデジカメか?というところ。デジタルかアナログかというのは信号・情報形態の問題で、それなら今時ファックス送信もデジタル信号での送信だろうと思う。「デジタル庁」が目玉と言われても、そのテーマは情報のデジタル化なのか?と感じてしまう。

 「保健所のデータをファックスで送っていた」事実が孕む問題は果たして「アナログかデジタルか?」で考える対象なのか?。何年も前からファックスはパソコンで受け取ることが可能、そのまま「デジタル情報」としてコンピューターに保存も可能。システムを設計していれば、ファックスのファイルを自治体や政府機関に自動転送することも出来る。仮に、ファックス送信をオンライン入力に変えても、人間が入力する作業を俗にいう「アナログ」。それを市役所・県庁職員が読み取り、また別のオンラインシステムに入力するような連携に欠けたシステムなら、同じ遅れが生じる。要はデジタル情報の連携システムの良否だ。

 ある番組では「経営のデジタル化」という言葉も出た。何を意味するのだろう?。既にほとんどの会社・営業所で各種帳簿関係はコンピューターに保存され「デジタル情報」となっているだろう。言葉の意味からして、デジタルな判断やデジタルな方針などというものが有り得るだろうか。番組で扱われている内容は、要するに「情報の処理・必要な情報の抽出・有用な情報の関連付け」の技術進歩が必要だということで、つまりIT技術の進歩をいかに実業に応用するかという(IT化の)問題なのだ。

 日本での問題は過去20~30年間デジタル化されてきた情報をどう使うかということで、それはIT(information technology) の問題じゃないのか? デジタル庁ではなくIT庁つまり情報技術革新庁として欲しかった。マスコミも何となくデジタル化=情報技術の進歩・情報共有化の促進という意味で使いたいようだが、言葉はやはり元の意味を重視して使って欲しい。ITでもデジタルでも、言葉なんかどうでも良い? 否、なんとなく雰囲気で言葉を使われると、具体的に何を指すのか分からないままで過ぎて、最後には曖昧な結末で誤魔化されそう、それが心配。

情報のデジタル化技術で言うなら、アナログの手書き文章をコンピューターが読取りデジタル信号化できる時代がとっくに来ている。手書きファックスだって送信されるのはデジタル信号で、そこからコンピューターが必要部分を自動で読み取り、共有化するシステムが設計されていれば保健所のファックスデータを自治体・政府も共有ができたはず。どういうシステムが必要かを考えるのは、コンピュータープログラムを自作する能力を持たなくてもできる。問われたのは「情報をデジタル化した後で、必要とする各機関や自治体・政府で共有するにはどんなプログラム、今は何を実現するプログラムが必要か?」を考える能力で、というより、それを考える人がこれまで居なかった(権限を持てなかった)ことなのだろう。

 皆の尻を叩いて皆に情報のデジタル化を強いてきたのに、そのデジタル情報の使い方についてほとんど考えられて来なかったのか?と愕然とする。そこに今度は「IT化を進めるデジタル庁」と言われてもピンと来ないし、何をするのだろうと思う。今更「情報デジタル化が時代の課題でもあるまい?」と感じてしまう。「デジタル化推進の鍵はマイナンバーカード」という理屈も、全くよく分からない。もう既に、ほとんどの情報のやり取りはデジタル化され、デジタル情報が飛び交う現代日本で、アナログ情報のデジタル変換は問題とならない(写真はスキャナーに掛け、手書き文書も読み取ってデジタル文字情報に変換)。とにかく「デジタル化した後、その情報をどう使うか」という技術「IT: Information technology」を何とか先進国にしてくれ、と思う。