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大阪なおみ全米オープン優勝

2020-09-13 | 日記

女子テニスの大阪なおみ選手が全米オープンで優勝した。2度目である。2年前の初優勝の時には、全米の決勝で闘い優勝する夢を叶えたいというエネルギーに押し上げられたような優勝だったが、今回は自分がそこで闘う目的と優勝することの意味を見出し、自らそれを成し遂げる意思を感じられた優勝だったと思う。心から賞賛し「おめでとう」の賛辞を送りたい。

 最初の全米優勝からコーチが何度か変わり、その後の2年間は全米オープン優勝・世界ランク1位経験者という責任感・プレシャーに潰されかけたように見えていた。しかし今回は、大人への脱皮と精神的な成長が感じられる試合ぶりだった。解説によれば、新型コロナ感染防止の自粛期間に行った体幹トレーニングも功を奏したということだが、それと共に、忙しさから解放されいろんなことを考える時間にもなったのだろうと推測する。今回は黒人の人間としての尊厳のアピールが注目されたが、それも脱皮と成長の現れかもしれない。

 日本では「日本人アスリートが人種差別に対して明確な発言をするのは珍しい」とも受け止められた。日本人の一人として彼女を応援する時、彼女が自分を一人の Black だとそこまで強く認識していると理解していた人は少なかったのかも知れない。しかし日本国籍であっても彼女の肌の色は Black であり、米国で生活する中でいろいろな差別体験があったのだろうと感じた。一人の大人として自分のアイデンティティを考えるとき、アスリートであることや国籍よりも前に、一人の人間として肌の色で自分の価値や人格を決めつけられることに「 No 」を表明する必要を選び取ったのだと思う。おそらく、その根源的な意思を表現したことで、アスリートとしても今後自分が進むべき道がより明確に見えてきたということではないだろうか、自分にはそのように見えた。彼女はもっと強くなるような気がする。