昨日から、いくつかの銀行の預金が「ドコモ口座」に不正送金された事件が報道されている。最初にそのニュースを聞いた時は、「NTTの携帯もドコモ口座も利用して無いから自分には関係ない」と思った。しかし車の運転中ずっとニュースの内容を聞かされた結果、「被害者自体はNTT携帯やドコモ口座の利用者ではない」と気付いた。「ドコモ口座」は不正送金先にとして犯人側が使ったもので、預金を盗まれた被害側の口座は全く別のいくつかの銀行の口座なのだと。
今日になって何人かの知人の話を聞くと、案の定「自分はドコモ口座を持ってないから大丈夫」と誤解している者が居る。我が連れ合いもその一人。「うちは関係ないよ」と涼しい顔で答えるので、事件の内容を説明。ニュースの見出しやテロップでNTTやドコモ口座という単語が先に来ると、その内容を聞く前に、NTTドコモ利用者・ドコモ口座利用者だけに関わる話だと受け取ってしまった人が多いようだ。ニュースでの伝え方は難しいとつくづく思うが、その情報を一番聞くべき対象は誰なのかが伝わるよう、できるだけの工夫をして欲しい。今回のニュースも、見出しの先頭に「10銀行の預金口座からドコモ口座への不正送金」となっていれば、「被害を受けたのはどこの銀行口座か？」という関心が先に立ち、我が連れ合いもその銀行名リストに聞き耳を立てただろうと思ってしまう。
言葉で何かを伝える時には「聞く側の心理を考えて言葉や語順を選ばなければならない」と、そのまま自分にもまったく当てはまる教訓だった。