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日本ファクターは?

2020-09-03 | 日記

日本における新型コロナ感染症(COVID-19)での死亡者数が少ない理由、いわゆる日本ファクター(あるいはファクターX)に関するニュース解説なるものを見ていた。最近、ACE1という細胞表面分子の亜型がその有力候補として注目されているという。新型コロナウイルスの受容体となるACE2と同じく、アンギオテンシンⅡを通して血圧を調節する分子だという(ACE1は血圧上昇に、ACE2は低下に働く)。

 興味を持って見ていたら、COVID-19 で死亡者数の多い欧米各国の国民と死亡者数の少ない東アジアの国民では、ACE1という分子の亜型の割合が異なるという。・・なるほど、つまり人種的差から来る特定の遺伝子亜型の出現頻度の差なのだろう、と理解した。さらに曰く、「日本ファクターというのは複数あると考えられている」。確かに、山中博士のインタビューでもそんなことを言われていた。で、例えば他には白血球のタイプ、これはおそらくHLA(ヒト白血球抗原:Human Leucocyte Antigen)のことで、これもいろんな報道番組でも候補に上げられていると納得。ほかには社会的習慣やマスク分化の違い、確かにこれも多く指摘されていて納得。さらに、既に別の風邪(いわゆる鼻風邪コロナと言われるやつ?)の感染経験による免疫が新型コロナの感染防御に一定の効果を発揮した(いわゆる交差免疫というやつ?)可能性の指摘も、良く指摘される有力な要素で納得。

 最後に、BCG接種。東アジアでは幼児期でのBCG接種が奨励され(あるいは義務付けられ)、国民の多くがBCG接種を経験しているとの指摘。これも一応よく言われている、と思った矢先、「でも、オーストラリアではBCG接種が現在行われていないにも関わらず COVID-19 での死者が少ないので、BCG の関与については疑問あり」と解説者の弁。「えっ!!、それじゃぁ、ここまでの ACI1分子の亜型やHLAの違いという遺伝子亜型の差に関しての説明って、オーストラリア国民は遺伝子タイプ的に東アジアグループに入ると考えての説明だったの !?」と一気に不可解を広げる時間となってしまった。

 日本(そして東アジア諸国)で COVID-19 での死亡者が欧米に比べて圧倒的に少ないことには、確かに何か理由(日本ファクター的なもの)があるだろう。でもそれが人種・民族間の遺伝子的な違いに起因するなら、感染者・死亡者の多い欧米や南米の国での人種・民族別の感染率や死亡率を比較すれば判ること。もしそうならば、感染拡大から半年、欧米での爆発的感染拡大からも5か月、もうそろそろそんな情報があっても良い頃じゃないかと考える。欧米にも南米にも、今ではかなりの数のアジア系またはアジア系との混血が住んでおり、感染者・死亡者に占めるそれぞれの割合だってデータは集まっているはず。

 同じ国の中で比較すれば政策や医療の違いはかなり小さくなるし、生活習慣の違いは多少あっても、遺伝子的要因がもっと明確になるのではないか? にも関わらず、半年経っても日本と欧米の違いに関する推測発現ばかりで、欧米・南米での感染率・死亡率の人種・民族的差異についての報道はまだ聞かない。自分としては、そんな情報が出て来ないことが「感染率・死亡率の大きな差をもたらしている原因として、遺伝子的差異は有力な要素じゃない」と暗に示唆しているような気がしてならない。