マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

頭を打った(頭部打撲)

2010年02月12日 | 診療
マキノの小児科医は外傷が苦手です。
骨折だの出血だのは本来外科系の疾患ですね。

でも患者が子どもだとそうは言ってられません。
一人で当直していても結構受診依頼もありますし。

子どもの場合、よほどのことがない限りは頭を打って出血などを心配する必要は少ないと考えています。
3階から落ちたとか、車に跳ね飛ばされて頭を打ったなんてのはナシですよ。

こけた、ひっくり返った、階段から落ちた。。。などなどでは
一応の受診とその後の経過観察は大事ですけど、めったなことは少ないですね。

脳内の出血は個人的には虐待でしかお目にかかったことがありません。
逆に言うと虐待ってものすごいことしているということですね。
頭をちょっと蹴ったとかいうレベルではないと。。。

話が変な方向にいきそうなので、少しだけ頭部打撲後に注意しておいてほしいことをお話します。

ある程度強く頭をうつと、子どもは結構「吐きます」。
頭の中に出血が起こると嘔吐、けいれん、意識障害など起こりうるわけですから、
吐かれると一応検査が必要ですね。
でもたいてい何もなくても吐くのです。
軽い脳振とうだったり、あるいは頭を打ったのがすごくストレスとなって吐くわけです。

腸炎でお話しましたが、吐いた時の対応は同じです。
特に頭を打った後に吐いているのですから、すぐに何かを飲ませるなんて無理な話です。
一旦安静にさせてしばらく様子をみてもいいですが、それ以上吐く場合は病院へ。
点滴をしておいた方があとあと楽なケースも多いです。
念のためのCTだけ撮っておいて、何もなければ吐かなくなるのを確認する意味でも
1泊くらいしておいてもやりすぎではないと思いますよ。

その昔、小さい子どもとお年寄りは頭を打ってから2,3日かけてじわじわ出血が広がってから
ようやく症状が出てくることがあると教わりました。
実際に自分では遭遇したことはないのですが、頭を打ったあとは、2,3日くらいは
普段と何か違いがないかは一応注意するにこしたことはないということですね。


感冒性腸炎
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/7d1e59ad799fdb64b3b531e696df62c6
コメント
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