マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

肺炎球菌ワクチン

2010年02月04日 | ワクチン その他
春には接種できるようになるそうですとお伝えしていた肺炎球菌ワクチン。
意外と早く接種できるようになるのかもしれません。

産経WEBの記事から。
(以下引用)
インフルエンザと並び、重い感染症の原因となっている「肺炎球菌」を防ぐ小児用ワクチンが
2月下旬、実用化される。
肺炎球菌は人の鼻やのどの粘膜に定着し、せきなどによって他の人に次々と広がる。
保育園や幼稚園などの集団生活が始まる前にほかの予防接種とともに済ませておきたい。

肺炎球菌は小児の細菌感染症の原因として最も多いといわれ、日本外来小児科学会は
だれもが無料で受けられる定期接種に肺炎球菌ワクチンを加えるよう国に要望している。
ヒブ(インフルエンザ菌b型)ワクチンと両方接種することで、急性中耳炎のほか、肺炎、
髄膜炎、菌血症など重症の細菌感染症を予防できる。米英など35カ国が既に定期接種化。
中国などのアジア、東欧、南米など93の国でも導入が進み、実用化されていないのは
日本とアフリカや中東の国々となっていた。

今回、実用化された小児用ワクチンは生後2カ月以上9歳以下が対象で、任意接種となる。
接種の時期はできるだけ早い方がよいといわれる。
日本小児感染症学会の武内一医師らの研究では、集団生活を始めた乳幼児の半数が
4月の入園時点でいずれの菌も保有していなかったのに、わずか1~2カ月後に
ほぼすべての園児がインフルエンザ菌や肺炎球菌を保菌していた。
(引用終わり)
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100203/bdy1002030802001-n1.htm
(フルブラウザなどでないと携帯からは見れなさそうです)

値段がヒブワクチンよりも確実に高くなるのが難点です。。。
当院での接種ができるようになりましたらまたお知らせします。

ヒブと肺炎球菌ワクチンの署名はまだ受け付けています。
ご協力よろしくお願いします。

肺炎球菌・肺炎球菌ワクチン(1月28日分)
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/36429bd6071e130a4f66042d08981e2b

信じる力

2010年02月04日 | 診療
コメントに返信しうと思ったら長くなったのでこちらで。

たとえば医者患者間にある程度の信頼関係があるとします。
そうした時にこれはよく効く薬だよと薬を渡したとします。
100人に渡すとおそらく20人くらいは効いたと思うはず。
実はビタミン剤だったとしても。
わたくしめが教祖になれたら、たぶん50人くらい効いたと思ってくれるはず^^

医療は科学だけで説明しきれない部分が大きい領域です。
母の愛が一番説明できない^^
経験則に頼る部分も大きく、だからこそ医者によっても治療法が大きく違ったりすることになります。

また今現在の治療法が5年くらいで否定されることなんてしょっちゅうあります。
タミフルが発売された当初、なんてすごい薬だと乳児も含めてたくさん処方していました。
世の中誰もそれがおかしいなんて言うはずもなく。
また逆にタミフルを処方しなかったらたたかれそうな状況も。

さて今現在のタミフルの扱いはどうでしょう?
なんだか悪い薬みたいなイメージをもたれてしまいましたね。
いつの間にやら乳児には処方できなくなっていますね。
でも新型インフルエンザが流行したら全例タミフル!なんて言い出す連中まで出現する始末。

この10年で色々考えました。
世の流れにあまりに逆らうのはよくないけれど、まずは自分の臨床医としての直感を大事にしようと。
新しいものにすぐに飛びつくのはやめようと。
都会と田舎では医療環境もまったく違います。
霞ヶ関のおえらい様たちが知らないことがいっぱいある。
あの連中にまともに従っていたらえらいめに合いそうです。
大きい病院でしか働いたことのないスーパードクターの先生方には
なかなかわかってもらいないことだってたくさんありそうです。

話があちこち飛びますが、
逆にこの医者の言うことどうなんやろうなんて思いながら薬を飲んだり、使ったりすると、
あまり効かないなんてことだってありえますよね。

コメントにもありましたが、処方された塗り薬を実際に使うときになって
説明されたのとちょっと違う使い方に。。。なんてよくあるはずです。
内服も1日3回5日をきっちり飲むだけでも大変だと思います。
こちらもそれをわかった上で対応するのが大事なんでしょうね。

所詮医学・医療は人がやることです。
できることなんてしれてます。
人間が手をだしていいのかわからない領域だってたくさんあります。

マキノの小児科医にできることなんてもっともっとしれてます。
だけど自分にできることもあります。
それをもう少し追求したいなとは思っています。

またしてもまとまりないコメントですが、ニュアンスだけでも伝わればと思います。

ステロイド軟膏

2010年02月04日 | 診療
ステロイドの軟膏には強さのランクがあります。
1:一番弱い
2:やや弱い
3:普通
4:やや強い
5:強い
と思ってもらえばいいと思います。
「3」は普通とは言いましたが、普通にしっかり強いんですけどね。
言い方を少し変えると「5」はめっちゃ強いですが。

うちではほとんど「1」か「2」から処方しています。
とびひなどで「3」の抗生剤も入ったものを処方していますね。
それほどひどくないのなら、「2」までで十分かと。
逆にひどくなっていたら強い目の軟膏ではじめて、
よくなってきたら早めに強さを落としていくことに。

皮膚を清潔にしたあとで少量の軟膏を湿疹にしっかり塗りこみましょう。
広範囲に湿疹があるとどうしてもいっぱいとってザーッと塗ってしまうとは思いますけど。
保湿剤はその前でも後でもまあそれほど違いはないと思っています。

1日2回で始めてもらっています。
少しよくなったら早めに1日1回に。
さらによくなったら1日おきに、そして2日おきに、そして週に2回までに。
週2回を続けていると再燃・再発はかなり少ないはずです。
ちなみに横方向に塗りこむほうがすりこみやすいはずです。
縦方向の方が塗りやすいんですけどね。

でもこれはあくまでも理想論。
なかなかここまでやるのは難しいでしょう。
頑張れる範囲でやってもらえればと思っています。

保湿剤はずっと使っていて悪いことはないでしょう。
保湿剤とステロイド剤を混合して処方されたりするようですが、個人的にはキライです。
混ぜる理由がよくわかりません。
ステロイドの使用量をできるだけ少なくしようと思うと、
面倒でもちょっとづつとって、しっかり塗りこむしかないと思っていますから。

保湿剤の種類も気に入って長く続けられるのならなんでもいいでしょう。
好みもありますから。
市販薬でも結構かと。
個人的にヒルドイドローションがお気に入りですのでうちの小児科はみんなピンクのフタですね。

原則として、湿疹にはステロイドの外用薬を使わないとあまりよくなりません。
非ステロイドの抗炎症剤軟膏はずいぶん前から小児にはあまりお奨めされないとなっています。
ステロイドを使いたくないと悩んでいる間に湿疹がひどくなってしまうと、
結果的に強いステロイドをより長く使うことにもなりますのでご注意を。
ステロイドは決して悪い薬ではないですからね。

使用上の注意はこのくらいでしょうか。
参考にしてください。