首都圏、外出自粛拡大 新型コロナ、5都県連携 中日新聞朝刊に見える見出し。トップに横書きで、 漢字がならぶ、首都圏 外出自粛拡大 これは、おもてにでてはいけない、いえにいるように、と。すでに3月に入ってから、5日、12日、19日と日を追って収束する兆しを待ち、耐え続けてきて、ここ3日内で感染者数が予測を超えて、40人増の連日であるから、まさに目標値があるとするなら、シュートを超える変動となる可能性を見せている。専門家会議が19日から10日ほどの様子を見なければならないと言ってきて、どうなっているのか。それは、目に見えない、潜伏したままの、保菌者がいるという状況のほうに、事実が進行している。この状況に、次には、首都封鎖、緊急事態宣言にかまえることになる。コラムに目をやると、中日春秋で、カタカナ言葉の多用に触れて一文があった、爆発的な患者の増加や都市の封鎖が必要な事態が、現実の心配になっている、と書いている。オーバーシュートによるロックダウンが必要な事態が、という表現なのか、言葉遣いも重みを増している日本の危機であると結ぶ。さて、手元の辞書に、オーバーシュートの項目を引いて、病気に関する用法がないと説明するが、いまは、電子化された辞書、用語解説による時代、それもウエブサイトで用語を調べるから、もう少し、詳しく解説をした啓蒙が欲しい。読者が坪内逍遥の時世ではないにしても、金田一春彦の時代でもなくて、日本語の危機などの論議はカタカナの語を必要とする教育、社会の時期なのであるから、啓蒙なども知の探究へと向かうコンピュータを用いるZ世代に遭わなくてはいけない文章である、そうあってほしい。年寄世代にわかりにくいというような物言いは、高齢の健康となれば、などは、日本語が表現を選んでいるのである。これは、感染を制御する仕方を説明したものとして、ひろく理解を求めてよい。専門家会議が使った語の背景には目にすることの多くなったエビのように折れ曲がる放物線と、なだらかな山となるラインの重ね合わせた図が出てきて、あの突出したカーブがオーバーシュートかと誰もが思い至っているはずである。ただの爆発的感染者の増加でないし、コントロールしようとする感染症学者の切な思いがある用語である。
このサイトには図があって、説明の理解は困難でも、一目瞭然とする。
http://ch.ce.nihon-u.ac.jp/kako/PC_HTML/Lect/pt10/10_9_cmt.html
Page 10-9 : オーバーシュート / 行過ぎ量
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図の応答のように、減衰振動を生ずる応答を、不足制動応答(underdamped response)と言い、振動せず滑らかに目標値に近づいていく応答を、過制動応答(overdamped response)という。過制動応答では、オーバーシュートはあらわれないが、その応答は遅くなる。
プロセスの性質によって、オーバーシュートを絶対に起こしてはならないプロセスがある。このようなプロセスの制御では、制御応答の速度が遅くなってもやむを得ず、過制動応答となるよう調節計を調整する必要がある。
オーバーシュート の意味
出典:デジタル大辞泉
オーバーシュート【overshoot】 の解説
[名](スル)行き過ぎたり、度を越したりすること。為替相場についていうことが多い。
新型コロナ会見で耳慣れない「オーバーシュート」が使われた理由
2020-03-26
>ほんの1週間前までは日本で「オーバーシュート」といえば、金融・証券用語だったのだ。
英語の「overshoot」は「(的を)外す」「(停止線などを)行き過ぎる」「(予定額や割当を)超過する」という意味。これが転じて金融・証券用語では「相場や有価証券の価格の行き過ぎた変動」を指す用語となった。株価が需給関係により、短期的に実体からかけ離れた価格となる現象を「オーバーシュート」と呼ぶ。
>考えられる理由は二つある。一つは一般に知れ渡り映画のタイトルにもなった「アウトブレイク」を使うと、一般市民が感染症拡大に過剰反応してパニックを起こす可能性があるため、あえて耳慣れず穏当に聞こえる「オーバーシュート」を使った。
もう一つは人間の意思決定が今後の感染拡大を大きく左右するという警鐘を込めて、あえて「オーバーシュート」を選んだ可能性もある。専門家会議では市民の行動を変えて感染の広がりを抑える「市民の行動変容」をCOVID-19対策の基本方針の一つとして掲げている。
専門家会議は「換気の悪い密閉空間を避ける」「多くの人と密集しない」「近距離での会話や発生を抑える」の行動変容があれば、感染拡大による重症化を食い止められると呼びかけた。こうした市民の行動変容が徹底されずに感染が爆発的に拡大すれば、文字通り人間の意思決定や行動によって引き起こされた「オーバーシュート」と言えるだろう。
文:M&A Online編集部