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日本語の句

2020-11-20 | 日本語文法

日本語における句は何か。和歌俳諧、発句、俳句に、短歌の上の句、下の句と、またいっぽうで漢文漢詩に句がある。文学の呼称であるから、述べようとする文法用語の句についてはどうか、ということである。辞書の用例に百学連環が見えて、シンタクスの訳語に充てている。すでに詩歌文章そして語を重ねて句とするという理解がある。日本語のとらえかた、解釈には揺るぎがない。広辞苑の語釈に、通常二つ以上の語から成るまとまりで、しかも節を成さないもの、として、説明がある。
ここに、国語学で文法論の議論に、言語を本質にとらえた仮説が加わって、言語過程説による句の用いかたがある。その説明が単純であるにかかわらず、明確でないこともあって、仮説を受けるものはその演繹による理論証明が継承されないということが起こっている。それで、一般にはわからなくしてしまったものの、それに触れるものは、したがって、ない。橋本文法批判によく言われるところの連文節に句を見るものだが、それは、便宜であって、理論の援用とはならない。橋本学説に対する時枝学説ということであれば、その立場をもとにした、批判に拠る文法論が望まれる。



広辞苑より
く‐ほう【句法】‥ハフ
詩文・俳句などの組み立て方、作り方。

【句】
①文章中の一区切り。語のまとまり。
②〔言〕言語単位の一つ。通常二つ以上の語から成るまとまりで、しかも節を成さないもの。「形容詞+名詞」「副詞+動詞」などの単位。国文法では多くクローズに近い概念として使う。
③詩歌・詞章または音曲の中の小段落。
㋐平曲で語る1章段。
㋑和歌などの韻律上の1段落を指す語。5音または7音の段落。また、上の句・下の句。
㋒漢詩の1区切り。5字または7字を普通の形式とする。起句・承句など。
④連歌・俳諧の発句・付句の略。
⑤連歌・俳諧で、一つ一つの作品を数える語。
⑥俳句。「―をひねる」

日本大百科 より

phrase《文法》
統語上の単位で、節よりも下位のもの。伝統的分類では、句は節と異なり、文の資格を備えた統語体を含まないものとされる。
句は統語上の機能に応じて、名詞句、動詞句、形容詞句、副詞句の四つに分類されることが多い。
英文法でいうフレーズphraseとクローズclauseにほぼ対応する(英分法ではclauseを「主語、述語をもつ統語体」とし、それ以外をphraseとする)。
なお、国文法では、句と節を以上とは逆の意味で使うことがある。また、生成文法では、文以外の任意の統語体を句とよび、節を含む構造、たとえば「彼が書いた本」などを名詞句とよぶので、注意を要する。 <山田 進>

日本国語大辞典より
く‐ほう[‥ハフ] 【句法】
解説・用例
〔名〕
詩歌、文章を組みたてる際のことばのきまり。文法。また、特に俳句の作法。
*文明本節用集〔室町中〕「句法 クハウ」
*日葡辞書〔1603~04〕「Cufo (クハウ)〈訳〉ある詩歌を作り、文章を作ることを知るための法則、きまり」
*俳諧・明和八年歳旦帖〔1771〕「延宝之句法」
*授業編〔1783〕七「篇に篇法あり、句に句法あり、字に字法あることいふまでもなく」
*百学連環〔1870~71頃〕〈西周〉一「Syntax 即ち句法なるものは文字を重ねて語となし、語を重ねて句となす」
*新体詩抄〔1882〕グレー氏墳上感懐の詩・前文〈矢田部良吉〉「西洋人は其学術極めて巧にして〈略〉其詩歌に於ても〈略〉其句法万種にして、韻を蹈むものあり蹈まざるものあり」
*容斎四筆‐作文句法「作文旨意句法、固有規倣前人」


句法
2020-11-11 | 日本語文法


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