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勘違いしない 御の字

2016-03-10 | 勘違いしやすい日本語
御の字について、遊里語の位相であると説明される。語源辞典などに記載されてその引き写しである。御の字はどのように使われたか。たどれば廓言葉の範疇で隠語であることに注意しなければならないだろう。廓とあって、もはやそれはとらえようがないことである。しかし歌舞伎などでの台詞に廓言葉をもって演技するところか、その何ほどかを想像する。女性語の範疇になると女房言葉へ、その文字ことばにさかのぼるかもしれない。

御の字の方のことをさすならば、それは廓においては身分社会を超えた破格のできごとになるか、商人町人が平時の客であるなら、あるいは下級武士が武家であったとしても、そこに、御の字の階級である。身分を公言したらはばかれるから、符牒とあいなる。それをこの語の用いた遊里の世界とみるならば、この語の意味内容は想像できるところではないだろう。そこにはまた金銭的やり取りが破格であったかと連想するのも、わかりえないことである。



デジタル大辞泉
おん‐の‐じ【御の字】
《江戸初期の遊里語から出た語。「御」の字を付けて呼ぶべきほどのもの、の意から》
1 非常に結構なこと。望んだことがかなって十分満足できること。「出費がこの程度で済めば―だ」
2 最上のもの。
「―の太夫」〈浮・諸艶大鑑・八〉
[補説]1について、文化庁が発表した平成20年度「国語に関する世論調査」では、「70点取れれば御の字だ」を、本来の意味とされる「大いにありがたい」で使う人が38.5パーセント、本来の意味ではない「一応、納得できる」で使う人が51.4パーセントという逆転した結果が出ている。


隠語大辞典
御の字
読み方:おんのじ
報酬を贈るのに、相場並、又はそれ以上の金を出す場合。大威張。


遊里語
裏を返す・なじみ・御の字・おちゃっぴい・ひやかす


大辞林 第三版の解説
くるわことば【郭言葉】
江戸時代,遊里で用いられた特殊な言葉。遊女が用いた「わちき(私)」「ありんす(あります)」の類や,「新造(しんぞ)」「初会」「お茶を挽(ひ)く」などの用語をいう。里言葉。里訛(なま)り。遊里語。


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