おめでとうございます 挨拶の慣用句として現代で通用する言い方がどのような語構成であるかについてはことさら言い立てなくとも日本語を知っていれば、つまり、使っていれば次のようになるとわかってくる。おめでとう おはよう ありがとう など同様である。なかに、ございました となると意味から言いにくい語句もある。ありがたかったです ありがとうございました この言い方にも使い分けがある。
ありがとう ↓*ありがたくある
ありがたかった ↓*ありがたくあった
ありがたかったです
ありがとうございました
ありがとうございます ↓*ありがとうござります ↓*ありがたくござる ↓*ありがとうござる
この語には音便の現象がみられる。音便形ということがある。それで音便とは何かを考えることになる。
あいさつになり、慣用語を成立させる文法結合また統合の現象であるとして、ある ござる について補助用法となっている。
ありがたい ありがとう の違いは、ありがとう を、ありがたくある として、ある という語を付けて表現することにあるので、言いきりと補助の語を付けた場合の言い方の働きになる。
いま補助用法とする国語の用言の機能を問う。補助用言、形式用言と分析できれば、その文法機能については、実質用言に意味、様相を添えると解説する。
ここでブログを検索していると、補助用言を用言に分類しないという意見を述べているサイトがあったので、議論のひとつに紹介すると――
https://takashukumuhak.hatenablog.com/entry/20160205/1454676476
2016-0205 補助動詞は用言!?
補助動詞は実質動詞の語法から派生したものと捉えるかどうか、あるいは補助動詞という範疇に文法機能を専らとする分類、国語文法の付属語に相当するとの見解で、自立語と見ないということのようで、それでは補助動詞は自立語ではないとして何に分類するかという議論に余地を残す。
いわく、
>そもそも、単純な話、「補助動詞」は「補助」となる「動詞」なのだから、自立語のわけがない。活用するという文法的な性質も、動詞に意味を付け加えるという働きも、助動詞と同じなのである。
>補助動詞を自立語と認める学説を撤回して欲しい
というふうで、この議論を拝するに、補助動詞を付属語とする主張になるようであるから、補助的な用法の見解のままに考え方を据えている。
助動詞 ない というのをかんがえれば、接続上のことに及ばない範囲でいうと、形容詞と区別できないのと同様で、いる ある などの補助用言を助動詞にする議論である。
学説は良いとして、もっともな議論であるようで、実はすでに、ている てある などの分析に見られるところである。
国語の文法学習では学習用に分類するところ、日本語文法では現代語の用法にイディオムを見る。
