イギリスのEU離脱で分かれた勝ち組と負け組。未知の領域に突入した世界秩序はどこへ向かうのか―ーニューズウイーク、特集:BREXIT 勝者と敗者 2016年7月12日号 カバーストーリである。第1部 ヨーロッパ 誰も見通せないブレグジット後の未来 第2部 ポピュリズム 英EU離脱の勝者と敗者は誰か この一文の冒頭は、イギリスのEU離脱(ブレグジット)では、年長者が若者に勝ち、教育を受けていない人々が、高学歴の人々を下し、国家主義が国際主義に勝利した、と書く。ポピュリズム 離脱派を突き動かしたのは 政治エリートへの反発 反移民、反グローバル化を 唱える勢力が勢いづく をリードにして、オーエン・マシューズが筆を執る。イギリスが、ポピュリストと移民勢力に屈した国になったと言う。結びに、だがブレグジットの破壊力は、イギリスだけにとどまらない、次の戦いは欧米で静かに広がるナショナリズムの暗黒面を解き放ち、ずっと深刻な結果を生むことになるかもしれない、と、EUROPE’s POPULIST BACKLASH その見出しを受ける。
年表 イギリスがEUを離脱するまで(1952-2016)
2016年6月24日(金)19時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/06/eu1952-2016.php
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「イギリスEU離脱」へと至る歴史 ●はEU関連、○はイギリス関連
EU発足まで
【1952年】
●フランス、西ドイツ(現ドイツ)、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの6カ国が欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)を設立。欧州統合の第一歩に
【1958年】
●欧州経済共同体(EEC)、欧州原子力共同体(EURATOM)設立
【1967年】
●ECSC、EEC、EURATOMという3機関の執行機関が統合され、欧州共同体(EC)が誕生
【1973年】
●イギリス、デンマーク、アイルランドがEC加盟
【1979年】
●欧州通貨間の為替変動の安定化を目指す欧州通貨制度(EMS)が発足。欧州為替相場メカニズム(ERM)が設置される
○イギリスでマーガレット・サッチャー(保守党)が初の女性首相に(〜90年)
【1981年】
●ギリシャがEC加盟
【1986年】
●スペイン、ポルトガルがECに加盟し、12カ国体制に
【1989年】
●ベルリンの壁崩壊。東西冷戦終結
【1990年】
○イギリスが欧州為替相場メカニズム(ERM)に加入
【1992年】
●マーストリヒト条約(欧州連合条約)調印
○ポンド危機をきっかけに、イギリスが欧州為替相場メカニズム(ERM)から脱退
【1993年】
●単一市場が始動
●マーストリヒト条約の発効により、ECを基盤に欧州連合(EU)が12カ国で発足
EU発足以後
【1995年】
●オーストリア、スウェーデン、フィンランドがEU加盟
【1997年】
○イギリスで労働党が18年ぶりに政権を奪還し、トニー・ブレアが首相に(〜07年)
【1999年】
●欧州単一通貨ユーロ導入
●マーストリヒト条約が改正され、アムステルダム条約が発効
【2002年】
●ユーロ紙幣・硬貨の流通開始。イギリス、スウェーデン、デンマークの3カ国を除く12カ国がユーロを導入
【2004年】
●旧共産圏を含む10カ国(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、エストニア、リトアニア、ラトビア、マルタ、キプロス)が一挙にEU加盟
●加盟25カ国の首脳が欧州憲法に調印
【2005年】
●フランスとオランダで国民投票により欧州憲法の批准拒否。欧州憲法は発効せず
【2007年】
●ブルガリア、ルーマニアがEU加盟
●欧州憲法に代わるリスボン条約(改革条約)に首脳らが調印
【2009年】
●リスボン条約発効
キャメロン英政権発足以後
【2010年】
○イギリスで保守党が13年ぶりに第1党に。第3党の自由民主党と連立政権を樹立し、保守党のデービッド・キャメロンが首相に(〜現在)
【2012年】
●EUがノーベル平和賞受賞
【2013年】
○1月:キャメロン英首相が、15年の総選挙で政権を維持できればEU残留の是非を問う国民投票を17年末までに行う方針を表明
●7月:クロアチアがEUに加盟し、28カ国体制に
【2014年】
○5月:イギリスで実施された欧州議会選で、移民規制やEU離脱を訴えるイギリス独立党がトップ得票。イギリスの持つ70議席のうち最大の24議席を獲得
○9月:イギリスからのスコットランド独立の是非を問う住民投票。反対55.3%、賛成44.7%で独立は否決され、イギリスは分裂を回避
【2015年】
○1月:英政府はスコットランドの自治権を拡大する法案を発表
●5月:EU離脱が争点となった英総選挙で、キャメロン首相率いる与党・保守党が単独過半数となる331議席(定数650)を獲得
【2016年】
○2月: 6月23日にEU離脱の是非を問う国民投票を実施すると、キャメロン英首相が発表
○4月:EU離脱派、残留派共に運動を開始
○6月23日:国民投票実施
(参考資料:BBC NEWS、「世界年鑑2015」共同通信社ほか)
年表 イギリスがEUを離脱するまで(1952-2016)
2016年6月24日(金)19時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/06/eu1952-2016.php
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「イギリスEU離脱」へと至る歴史 ●はEU関連、○はイギリス関連
EU発足まで
【1952年】
●フランス、西ドイツ(現ドイツ)、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの6カ国が欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)を設立。欧州統合の第一歩に
【1958年】
●欧州経済共同体(EEC)、欧州原子力共同体(EURATOM)設立
【1967年】
●ECSC、EEC、EURATOMという3機関の執行機関が統合され、欧州共同体(EC)が誕生
【1973年】
●イギリス、デンマーク、アイルランドがEC加盟
【1979年】
●欧州通貨間の為替変動の安定化を目指す欧州通貨制度(EMS)が発足。欧州為替相場メカニズム(ERM)が設置される
○イギリスでマーガレット・サッチャー(保守党)が初の女性首相に(〜90年)
【1981年】
●ギリシャがEC加盟
【1986年】
●スペイン、ポルトガルがECに加盟し、12カ国体制に
【1989年】
●ベルリンの壁崩壊。東西冷戦終結
【1990年】
○イギリスが欧州為替相場メカニズム(ERM)に加入
【1992年】
●マーストリヒト条約(欧州連合条約)調印
○ポンド危機をきっかけに、イギリスが欧州為替相場メカニズム(ERM)から脱退
【1993年】
●単一市場が始動
●マーストリヒト条約の発効により、ECを基盤に欧州連合(EU)が12カ国で発足
EU発足以後
【1995年】
●オーストリア、スウェーデン、フィンランドがEU加盟
【1997年】
○イギリスで労働党が18年ぶりに政権を奪還し、トニー・ブレアが首相に(〜07年)
【1999年】
●欧州単一通貨ユーロ導入
●マーストリヒト条約が改正され、アムステルダム条約が発効
【2002年】
●ユーロ紙幣・硬貨の流通開始。イギリス、スウェーデン、デンマークの3カ国を除く12カ国がユーロを導入
【2004年】
●旧共産圏を含む10カ国(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、エストニア、リトアニア、ラトビア、マルタ、キプロス)が一挙にEU加盟
●加盟25カ国の首脳が欧州憲法に調印
【2005年】
●フランスとオランダで国民投票により欧州憲法の批准拒否。欧州憲法は発効せず
【2007年】
●ブルガリア、ルーマニアがEU加盟
●欧州憲法に代わるリスボン条約(改革条約)に首脳らが調印
【2009年】
●リスボン条約発効
キャメロン英政権発足以後
【2010年】
○イギリスで保守党が13年ぶりに第1党に。第3党の自由民主党と連立政権を樹立し、保守党のデービッド・キャメロンが首相に(〜現在)
【2012年】
●EUがノーベル平和賞受賞
【2013年】
○1月:キャメロン英首相が、15年の総選挙で政権を維持できればEU残留の是非を問う国民投票を17年末までに行う方針を表明
●7月:クロアチアがEUに加盟し、28カ国体制に
【2014年】
○5月:イギリスで実施された欧州議会選で、移民規制やEU離脱を訴えるイギリス独立党がトップ得票。イギリスの持つ70議席のうち最大の24議席を獲得
○9月:イギリスからのスコットランド独立の是非を問う住民投票。反対55.3%、賛成44.7%で独立は否決され、イギリスは分裂を回避
【2015年】
○1月:英政府はスコットランドの自治権を拡大する法案を発表
●5月:EU離脱が争点となった英総選挙で、キャメロン首相率いる与党・保守党が単独過半数となる331議席(定数650)を獲得
【2016年】
○2月: 6月23日にEU離脱の是非を問う国民投票を実施すると、キャメロン英首相が発表
○4月:EU離脱派、残留派共に運動を開始
○6月23日:国民投票実施
(参考資料:BBC NEWS、「世界年鑑2015」共同通信社ほか)