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285すべて一任

2014-01-07 | 日本語新百科
現代日本語「誤」百科 916 すべて一任した を例題にしている。
すべて を、名詞と見るか、この例題では副詞と見るべきである。

それでも、すべてを一任した、という言い方ができるので、これもやはり、一任 という語の意味内容を文脈で明らかにすると、用法が情報として理解できるだろう。

コラムの解説は、同語反復の誤りを犯している、とするが、いつも指摘するように、同語反復のとらえ方が違っているようだ。
ただ同じ意味の語を繰り返し使っている現象を言おうとするようだが、そもそも論理で起こしている同語反復はその表現上の撞着によって意味がわからなくなってしまうことであって、表現上の綾で現われる語の用法では同語反復を指摘するのは簡単なことのようにもみえるが、それを濫用するのはおかしい。

しかし、任務を一任した 責任を一任した といったような言い方に、おかしいと感じるのはまさに同語を見出すからであるが、それでも表現を読み取ろうとするときに、意味内容を撞着することもない。表現が間違っているというより、うまくない言い方か、それともこんなふうにしか言いようがない場合がある。

全て 【スベテ】
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デジタル大辞泉の解説
すべ‐て 【全て/▽凡て/▽総て】
《動詞「す(統)ぶ」の連用形+接続助詞「て」から》
[名]ある物や、ある事の全部。いっさい。「―を知る」「見るもの―が珍しい」「金が―の世の中」
[副]
1 ことごとく。残らず。「財産を―投げ出す」「見たことを―話す」
2 おおよそ。大体。総じて。「―、きむぢ、いとくちをし」〈かげろふ・中〉
3 (打消しの語を伴って用いる)全然。まるっきり。「―音もせで五六日になりぬ」〈大和・一〇三〉
[用法]すべて・全部・みな――「植木がすべて(全部・みな)枯れた」「株で失敗して財産をすべて(全部・みな)失った」「島民はすべて(全部・みな)避難した」など、相通じて用いられる。◇「すべて」「全部」は、「在庫はすべて(全部)売り切れた」「会員すべて(全部)が反対だ」のように、物についても人についても使う。◇「みな」は「みな、出かけようか」という代名詞としての用法があるように、特に人について多く使われる。「みなで協力しよう」「みな帰ってしまった」などの文脈では「すべて」「全部」は不適当である。◇「すべて」は文章語的で、「みな」「全部」は口語的である。

デジタル大辞泉の解説
いち‐にん 【一任】
[名](スル)
1 物事の処理・決定のすべてをまかせること。「動議の扱いを議長に―する」
2 律令制で、一人の官の限られた任期。


大辞林 第三版の解説
いちにん【一任】
( 名 ) スル
①物事の処理・決定をすべて任せること。全部まかせきること。 「議長-でまとまる」 「仕事を-する」
②律令制で,地方官の一定の任期。


検索ヒットの例。

ヤン・ヒョンソク代表”SOLのソロアルバムプロデューシングは全て本人に ...
www.yg-life.com/archives/19991?lang=ja‎
2013/07/16 - ヤン・ヒョンソク代表は”9月,3年ぶりにソロアルバムをリリースすると確定したSOLの2ndアルバムはSOL本人が満足できるアルバムを作るためにアルバムのプロデューシングに関する全てをSOLに一任した”と明らかにした. また”これまで,自分 ...



すでに言及しているものをサイトで引用しているブログがある。
表現上の綾はそれで意味内容をより確かにしようとするものであるから、次の例などは吟味すべきである。おそらく作家としての言葉使いに場面や文脈に応じて意味を考えようとすることからくるものであろう。無意識に間違うとブログの説明にとらえられて注意しているように、表現としての強調がうかがえるものが多いようだ。


無意識に間違って使っている「日本語」の落とし穴 「断トツの一位」「すべて ...
blogs.itmedia.co.jp/nagaichika/2011/06/post-af91.html‎


>作家の本郷陽二さん(光文社カッパ・ブックス編集部を経て、編集プロダクション、幸運社を設立。歴史ミステリー作家のほか日本語やビジネスなどのノウハウ本や雑学本を手がける)が「Qualite」(東急カード発行)にて、重複表現について書かれていましたのでご紹介いたします。
 ・・・・・(以下引用)・・・・・
 
×「断トツの一位」
”断トツ”は”断然トップ”の略語で一位を指す。
×まず初めに
×一番最初/一番最後
×今現在
 
×「すべて一任する」
”一任”とはすべて任せること。”一任”で十分意味は伝わる。一つの単語で意味は伝わるのに、別の言葉を加えて重複させてしまう例も多い。
×注目を集める
×収入が入る
×被害をこうむる
×後で後悔する
×過半数を超える
 
×「お中元のギフト」
”お中元”は、世話になって人への夏の贈り物。ギフトは贈り物と同義語だから、重複表現になる。
×新年明けましておめでとう
×元旦の朝
×クリスマスイブの夜
 
×「製造メーカー」
メーカーと、物を製造する会社=製造業者は同義語。同じ意味の日本語と外来語を重ねた言葉は、意味を分かりやすくするために生まれた重複表現。
×排気ガス
×IT技術
×チゲ鍋
 
×「故障中」
”故障”は”正常な機能を失った状態”を指すので、途中を意味する”中”をつけるのは間違い。他に”肴”はそれ自体が”酒のつまみ”を意味する。
×余分な贅肉
×酒の肴
×みぞれ混じり
×存亡の危機
 
     ・・・・・(以上引用)・・・・・


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