夏目漱石、夢十夜、1908年の7月から8月にかけて朝日新聞紙上で10回連載されたそうだ。それを、現代によみがえらせる、小説本文は現代仮名遣いの岩波文庫版に準拠ということである。
夏目漱石「夢十夜」:6
第六夜
運慶(うんけい)
護国寺(ごこくじ)
仁王(におう)
大勢(おおぜい)
下馬評(げばひょう)
五、六間(けん)
甍(いらか)
朱塗(しゅぬり)
照(うつ)
美事(みごと)
位地(いち)
好(い)い
眼障(めざわり)
斜(はす)に
突出(つきだ)している
何(なん)
中(うち)
車夫(しゃふ)
辻待(つじまち)
拵(こしら)える
私(わっし)や
日本武尊(やまとたけのみこと)
尻(しり)
端折(はしょ)って
被(かぶ)らず
頓着(とんじゃく)
鑿(のみ)
槌(つち)
一向(いっこう)
辺(あたり)
烏帽子(えぼし)
素袍(すおう)
別(わか)らない
袖(そで)
括(くく)って
如何(いか)にも
今時分(いまじぶん)
奇体(きたい)
頓(とん)と
彫(ほっ)て
仰向(あおむ)いて
天晴(あっぱ)れだ
賞(ほ)め
大自在(だいじざい)
眉(まゆ)
一寸(すん)
鑿の歯(は)
竪(たて)に
斜(は)すに
打ち下(おろ)
一(ひ)と刻みに
木屑(きくず)
小鼻(こばな)
おっ開(ぴら)いた
怒(いか)り
鼻(ばな)
忽(たちま)ち
刀(とう)の
無(ぶ)遠慮であっ
挟(さしはさ)んで
能(よ)く
眉(まみえ)
独言(ひとりごと)
眉(まみえ)
埋(うま)って
果(はた)して
家(うち)へ
金槌(かなづち)
先達(せんだっ)
暴風(あらし)
樫(かし)
薪(まき)
木挽(こびき)
挽(ひ)かせた
手頃(てごろ)な
奴(やつ)
掘り当(あて)
蔵(かく)して
夏目漱石「夢十夜」:6
第六夜
運慶(うんけい)
護国寺(ごこくじ)
仁王(におう)
大勢(おおぜい)
下馬評(げばひょう)
五、六間(けん)
甍(いらか)
朱塗(しゅぬり)
照(うつ)
美事(みごと)
位地(いち)
好(い)い
眼障(めざわり)
斜(はす)に
突出(つきだ)している
何(なん)
中(うち)
車夫(しゃふ)
辻待(つじまち)
拵(こしら)える
私(わっし)や
日本武尊(やまとたけのみこと)
尻(しり)
端折(はしょ)って
被(かぶ)らず
頓着(とんじゃく)
鑿(のみ)
槌(つち)
一向(いっこう)
辺(あたり)
烏帽子(えぼし)
素袍(すおう)
別(わか)らない
袖(そで)
括(くく)って
如何(いか)にも
今時分(いまじぶん)
奇体(きたい)
頓(とん)と
彫(ほっ)て
仰向(あおむ)いて
天晴(あっぱ)れだ
賞(ほ)め
大自在(だいじざい)
眉(まゆ)
一寸(すん)
鑿の歯(は)
竪(たて)に
斜(は)すに
打ち下(おろ)
一(ひ)と刻みに
木屑(きくず)
小鼻(こばな)
おっ開(ぴら)いた
怒(いか)り
鼻(ばな)
忽(たちま)ち
刀(とう)の
無(ぶ)遠慮であっ
挟(さしはさ)んで
能(よ)く
眉(まみえ)
独言(ひとりごと)
眉(まみえ)
埋(うま)って
果(はた)して
家(うち)へ
金槌(かなづち)
先達(せんだっ)
暴風(あらし)
樫(かし)
薪(まき)
木挽(こびき)
挽(ひ)かせた
手頃(てごろ)な
奴(やつ)
掘り当(あて)
蔵(かく)して