愛は漢語によってあらわされると、それには仏教語の概念がまずある。
世の中の愛である。
そして、西洋語の意味合いを持ってさまざま、神の愛のように宗教的な解釈が行われる。
漢語の愛の字は、字通によれば、後ろを顧みて立つ人の形を。それに心を加え、後顧の意を示す、(あい)+心 を、字義としている。
>愛は顧みて憂えるさまで、もどかしく不安定な心情をいう。また、ものがたちこめて不透明な状態にあることをいう
と見える。
漢語由来の語は、孝経‐聖治章 を用例とし、聖人因厳以教敬、因親以教愛 聖人厳に因りてもって敬を教え、親に因りてもって愛を教う を挙げる。
万葉集の例に、、語義として、親子、兄弟などが互いにかわいがり、いつくしみあう心、いつくしみ、いとおしみ と解説している。
万葉集〔8C後〕五・八〇二・題詞 による、釈迦如来〈略〉又説、愛無過子、至極大聖、尚有愛子之心
を挙げている。
愛の用例は、時代を下げて、12世紀から13世紀まで、仏語の解説を挙げている。
正法眼蔵〔1231〜53〕仏教 十二因縁といふは、一者無明、二者行、三者識、四者名色(みゃうしき)、五者六入、六者触、七者受、八者愛、九者取、十者有、十一者生、十二者老死
日本国語大辞典より。
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語誌
(1)「愛」字は、ごく古い時期には、仏教語としての用法を除いて、「うるはし」「めぐし」「うつくし」などと訓読みすることが多く、もっぱら身近な人間、主として親子・夫婦などの肉親の愛情のさまを表わしたと考えられる。
(2)中古以降は音読みの「愛」が漢語として定着し、「愛する」の動詞用法とともに、人に好感を与える魅力を表わす用法なども生じた。中世以降は、仏教的な、排斥され超克されるべき煩悩として取り扱われることが多く、この傾向は近世の終わり頃まで続く。明治以降、キリスト教的な西洋風の観念が取り入れられ、「愛」は再び種々の愛情の相を示すようになった。
字通より
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訓義
[1] いつくしむ、心を残す、愛(かな)しと思う、あわれむ。
[2] したしむ、情をかける。
[3] めでる、愛好する。
[4] 惜しむ。
[5] (にんべん)+愛 と通用し、ぼんやりした、不安定な、ほのかな感情をいう。
愛は国語では古語の「かなし」にあたり、「かなし」は哀・愛の語義を含む。〔万葉〕には「可奈之」「可奈思」などの仮名書きのほかに、「哀(かなしき)手」「春菜(わかな)摘む(つ)む兒を見るが悲也(かなしさ)」「あやに憐(かなし)き」のように哀・悲・憐を用い、愛の用例がない。愛は「愛人(うつくしきひと)」「愛(うるはしき)」「愛妻(うるはしきつま)」「愛(めで)の盛り」「最愛子(まなご)」「愛児(まなご)」「愛子(まなご)」のように用いる。〔記〕に「愛(うつくしき)我がなにもの命(みこと)」「愛友(うるはしきとも)」「孰(いづ)れか愛(はしき)」「愛悲(いとほしうれはし)」「愛重(うつくしみおもみしたまふ)」のような例がある。
ウイキペディアより。
日本の古語においては、「かなし」という音に「愛」の文字を当て、「愛(かな)し」とも書き、相手をいとおしい、かわいい、と思う気持ち、守りたい思いを抱くさま、を意味した。
近代に入り、西洋での語義、すなわち英語の「Love」やフランス語の「amour」などの語義が導入された。その際に、「1. キリスト教の愛の概念、2.ギリシア的な愛の概念、3. ロマン主義小説の恋愛至上主義での愛の概念」などの異なる概念が同時に流れ込み、現在の多用な用法が作られてきた。
世の中の愛である。
そして、西洋語の意味合いを持ってさまざま、神の愛のように宗教的な解釈が行われる。
漢語の愛の字は、字通によれば、後ろを顧みて立つ人の形を。それに心を加え、後顧の意を示す、(あい)+心 を、字義としている。
>愛は顧みて憂えるさまで、もどかしく不安定な心情をいう。また、ものがたちこめて不透明な状態にあることをいう
と見える。
漢語由来の語は、孝経‐聖治章 を用例とし、聖人因厳以教敬、因親以教愛 聖人厳に因りてもって敬を教え、親に因りてもって愛を教う を挙げる。
万葉集の例に、、語義として、親子、兄弟などが互いにかわいがり、いつくしみあう心、いつくしみ、いとおしみ と解説している。
万葉集〔8C後〕五・八〇二・題詞 による、釈迦如来〈略〉又説、愛無過子、至極大聖、尚有愛子之心
を挙げている。
愛の用例は、時代を下げて、12世紀から13世紀まで、仏語の解説を挙げている。
正法眼蔵〔1231〜53〕仏教 十二因縁といふは、一者無明、二者行、三者識、四者名色(みゃうしき)、五者六入、六者触、七者受、八者愛、九者取、十者有、十一者生、十二者老死
日本国語大辞典より。
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語誌
(1)「愛」字は、ごく古い時期には、仏教語としての用法を除いて、「うるはし」「めぐし」「うつくし」などと訓読みすることが多く、もっぱら身近な人間、主として親子・夫婦などの肉親の愛情のさまを表わしたと考えられる。
(2)中古以降は音読みの「愛」が漢語として定着し、「愛する」の動詞用法とともに、人に好感を与える魅力を表わす用法なども生じた。中世以降は、仏教的な、排斥され超克されるべき煩悩として取り扱われることが多く、この傾向は近世の終わり頃まで続く。明治以降、キリスト教的な西洋風の観念が取り入れられ、「愛」は再び種々の愛情の相を示すようになった。
字通より
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訓義
[1] いつくしむ、心を残す、愛(かな)しと思う、あわれむ。
[2] したしむ、情をかける。
[3] めでる、愛好する。
[4] 惜しむ。
[5] (にんべん)+愛 と通用し、ぼんやりした、不安定な、ほのかな感情をいう。
愛は国語では古語の「かなし」にあたり、「かなし」は哀・愛の語義を含む。〔万葉〕には「可奈之」「可奈思」などの仮名書きのほかに、「哀(かなしき)手」「春菜(わかな)摘む(つ)む兒を見るが悲也(かなしさ)」「あやに憐(かなし)き」のように哀・悲・憐を用い、愛の用例がない。愛は「愛人(うつくしきひと)」「愛(うるはしき)」「愛妻(うるはしきつま)」「愛(めで)の盛り」「最愛子(まなご)」「愛児(まなご)」「愛子(まなご)」のように用いる。〔記〕に「愛(うつくしき)我がなにもの命(みこと)」「愛友(うるはしきとも)」「孰(いづ)れか愛(はしき)」「愛悲(いとほしうれはし)」「愛重(うつくしみおもみしたまふ)」のような例がある。
ウイキペディアより。
日本の古語においては、「かなし」という音に「愛」の文字を当て、「愛(かな)し」とも書き、相手をいとおしい、かわいい、と思う気持ち、守りたい思いを抱くさま、を意味した。
近代に入り、西洋での語義、すなわち英語の「Love」やフランス語の「amour」などの語義が導入された。その際に、「1. キリスト教の愛の概念、2.ギリシア的な愛の概念、3. ロマン主義小説の恋愛至上主義での愛の概念」などの異なる概念が同時に流れ込み、現在の多用な用法が作られてきた。