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申す

2014-01-06 | 現代日本語百科
申す、申し上げます、この言い方について謙譲とすることを、果たしてそうであったのかと考えてみる。古語の扱いも解釈を謙譲の用法として解説を統一七るところであるから、その用法を身分、上下の関係をもとに見る。用例にもそれを機能とするものを代表するしている言い方を上げることになる。時代的な用法にはその謙譲の意味があることは古文解釈のままにあることを変えようとするものではないが、申す この語の意味内容には、自分からする、自分からものをいう、ということがあって、それは言葉の意味のいわば核となるものであろうから、それは変化することがなかったと考えてはどうであろうか。言う、語る、申す、この表現は、語に違いがあるように、それぞれの使い分けがあると見るべきである。謙譲の意味には自らの行為、自らの発言、自分らのがわのものごとに捉えた言い方があるのである。申す、申す、と繰り返して言い出す、物申す、ものもう、と声を張り上げる、もうし、もうし、と応答しあうなど、その用法には見直すべき使い方がある。謙譲の意味は語の用法とともに相手へ尊敬をあらわすと言う解説はあってもよいが、もうす、もうしあげる、とならべて、もうす、この語そのもには丁寧の度合いを表す用法としての意味合いを捉えるのがよい。


敬語の説明

謙譲語 - 三省堂 Web Dictionary
www.sanseido.net/main/words/hyakka/sonkei/‎

基本語から引く尊敬語・謙譲語・丁寧語
尊敬語―― 動作・存在の主体を高め、その人に話し手が敬意を表すもの。
謙譲語―― 動作(存在)の主体を低め、動作の客体または聞き手に話し手が敬意を表すもの。
丁寧語―― 動作・存在を、話し手が聞き手に敬意を表して言ったり、上品に言ったりするもの。


現代語辞書の語釈

もう・す〔まうす〕【申す】
[動サ五(四)]《「まおす」の音変化》
1 主として会話に用い、聞き手に対し、「言う」を改まって丁重に表現する丁寧語。
㋐「言う」対象が聞き手(または尊者)の場合には、対象を敬う気持ちも残るが、現在、対象を敬う謙譲語は「申し上げる」である。「昨日、先生に―・したとおりです」
㋑単に「言う」を改まり丁重にいう場合。この場合にも、謙譲の気持ちは残るので、敬うべき人の動作には用いない。現在、「先生が申された」のような言い方は適切でないとされる。「父がこのように―・しております」「私は鈴木と―・します」「一口に日本と―・しましても」
2 1のへりくだる気持ちが失せて、「言う」を改まり重々しくいう。「そうは―・しておらん」
3 動作の対象を敬う謙譲語。
㋐「言う」の謙譲語。申し上げる。古くは、改まって言上する場合に多く用いられた。
「(帝ニ)翁(おきな)のありさま―・して」〈竹取〉
㋑神仏、朝廷などにお願い申し上げる。また、所望申し上げる。
「母君の御行くへを知らむと、よろづの神仏に―・して」〈源・玉鬘〉
「いけずき(=馬ノ名)を―・さばやとは思へども」〈平家・九〉
㋒その人の名前・官位などを、人々が…と申し上げる。
「田邑(たむら)の帝と―・す帝おはしましけり」〈伊勢・七七〉
㋓「する」「なす」の謙譲語。…してさしあげる。「御助勢を―・しましょう」
「路次でお茶なりと―・さう物を」〈虎明狂・餅酒〉
4 (補助動詞)動詞の連用形、現代語では「お」などを冠した動詞の連用形や動作をいう名詞に付いて、謙譲の意を表す。「お送り―・します」「御相伴―・します」
「文覚が流さるる国へ迎へ―・さんずるものを」〈平家・一二〉
[可能]もうせる
申し上げる(もうしあげる) 啓する(けいする) 奏する(そうする)  ⇒類語辞書で詳しい使い方を調べる
提供元:「デジタル大辞泉



申す、用法の解説例


昔の「申す」の用法 - BIGLOBEなんでも相談室
soudan1.biglobe.ne.jp › 学問・教育 › 国語‎
2007/05/10 - 一般に、「申す」というのは「言う」の謙譲語であり、相手が目上の場合、自分をへりくだって「先ほど申しました~~の件 ... 念のために古語辞典で「まうす」を引っ張りましたら、主力は「言ふ」「告ぐ」の謙譲語ですが、この項のお終いのほうに「言 ...

>謙譲語のうちのあるタイプ(補語=動作の向かう先を高めるのではなく、自分方を低めて聞き手を立てる謙譲語。先日発表された「敬語の指針」(平成19年2月2日 文化審議会答申 下記URL)で、謙譲語IIとされているもの。)は、時代とともに意味・使用法が拡大し丁寧語や美化語と認識され、使われるようになる傾向がある。「申す」「参る」「いたす」などはそういった語である。
現在使われている語にも、「食べる」や「あげる」、飲食の意味の「いただく」など、そういった語は多く見られる。
そうして丁寧語・美化語として定着すると、それに尊敬語の助動詞「る」「らる」を付けた、「申さる」「参らる」「いたさる」という形が使われるようになる。実際に江戸時代までには、そういった言い方が広く使われ、文献にも見いだすことができる。つまりその当時、「申さる」は、「申す」という丁寧語に尊敬の助動詞をつけたものと考えられていて、相手側の行為についても使われていたのである。
同じことは上記の「まいる」などについてもいえる。
よって、時代劇で、「そう申されましても」「あなたが参られたのは」などと演者に言わせることも、あながち間違いとは言えない。

それが、明治以降、標準語政策や、学者による敬語法の分類・整理(尊敬・謙譲・丁寧、の三分法)が行われるうちに、「『申す』は謙譲語だから尊敬語を続けてはいけない」という規範意識が普及した。戦後、中学校の教科書等を通してその規範が確定的なものになり、今日に至っている。「申される」と「参られる」は間違いであるとされるようになったのである。

以上、下記参考文献の要約・引用を中心にまとめました。

「敬語」(菊地康人、講談社学術文庫)
「日本語文法大辞典」(明治書院)

参考URL:http://www.bunka.go.jp/1kokugo/pdf/keigo_tousin.pdf
投稿日時 - 2007-05-10 11:12:03


古文辞書の解釈

学研全訳古語辞典
学研教育出版学研教育出版

まう・す 【申す】
[一]他動詞サ行四段活用
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①申し上げる。▽「言ふ」の謙譲語。
出典竹取物語 燕の子安貝
「燕(つばくらめ)の巣に手をさし入れさせて探るに、『物もなし』とまうすに」
[訳] (家来に命じて)燕(つばめ)の巣に手を入れさせて探るが、「何もない」と申し上げるので。
②お願いする。お頼みする。▽「願ふ」「請ふ」の謙譲語。
出典更級日記 物語
「親の太秦(うづまさ)にこもり給(たま)へるにも、ことごとなく、このことをまうして」
[訳] 親が太秦(の広隆寺)に参籠なさったときにも(お供をして)、ほかの事は何もなくこのことばかりをお願いして。
③いたす。してさし上げる。▽「す」「なす」の謙譲語。
出典今昔物語集 二七・二一
「『ことづけまうさむと思ふは、聞き給(たま)ひてむや』と言ひければ、遠助(とほすけ)、『まうしはべりなむ』と答ふ」
[訳] 「おことづけいたしたいと思うことは、お聞き入れくださるだろうか」と言ったところ、遠助は、「いたしましょう」と答える。
④言います。申します。▽「言ふ」の丁寧語。
出典平家物語 九・木曾最期
「あれに見え候(さうら)ふ、粟津(あはづ)の松原とまうす。あの松の中で御自害候へ」
[訳] あれに見えますのは、粟津の松原と申します。あの松の中でご自害なさいませ。
[二]補助動詞サ行四段活用
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
〔動詞の連用形に付いて〕お…申し上げる。ご…申し上げる。お…する。ご…する。
出典更級日記 子忍びの森
「わづかになりたる国を辞しまうすべきにもあらねば」
[訳] やっと任官した国をご辞退申し上げるわけにもいかないので。
参考上代語「まをす」の変化した語。中古、女性に多く用いられた「聞こゆ(=申し上げる)」に対して、直接的で男性的な表現。公的で改まった感じの語。
まおす 【申す・白す】
⇒まをす

ま・す 【申す】
[一]自動詞サ行四段活用
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
申し上げる。▽「言ふ」の謙譲語。
出典栄花物語 月の宴
「『…人のそしられの負ひ給(たま)ふこと』と、嘆かしげにまし給ふ」
[訳] 「…人の非難を受けなさること」と、嘆かわしそうに申し上げなさる。
[二]補助動詞サ行四段活用
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
〔動詞の連用形に付いて〕…申し上げる。お…する。▽謙譲の意を表す。
出典大鏡 道隆
「『便(びん)なき事もこそ出(い)でくれ』と、人は受けまさざりけり」
[訳] 「不都合なことが起こるといけない」と人々は賛成申し上げなかった。
参考「まうす」の変化した語。

まを・す 【申す・白す】
[一]他動詞サ行四段活用
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
申し上げる。▽「言ふ」の謙譲語。
出典万葉集 三六八八
「秋さらば帰りまさむとたらちねの(=枕詞(まくらことば))母にまをして」
[訳] 秋になったら帰っていらっしゃるだろうと、母に申し上げて。
[二]補助動詞サ行四段活用
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
〔動詞の連用形に付いて〕…申し上げる。▽謙譲の意を表す。
出典万葉集 八七六
「天(あま)飛ぶや(=枕詞(まくらことば))鳥にもがもや都まで送りまをして飛び帰るもの」
[訳] 鳥であったらいいなあ、都まで送り申し上げて飛んで帰ってくるのになあ。
参考上代語。「まうす」の古形。中古以降は「まうす」となる。



謙譲語一覧、参考に


謙譲語言葉使いよく使う敬語謙譲語一覧謙譲語
www.tsyakt.net/kenjo.html‎

 謙譲語の【動詞的表現】
  する いたします  いたす
  思う 存じます
  いる おる
  言う 申し上げる
  聞く 拝聴する うかがう うけたまわる お聞きする
  見る 拝見する
  見せる お目にかける ご覧に入れる お見せする
  行く うかがう 参上する あがる まいる
  来る 参る
  会う お目にかかる お会いする
  帰る 帰らせていただく
  待つ 待たせていただく
  知る 存じる 存じ上げる 承知す
  知らせる  お耳に入れる お知らせする
  読む 拝読する
  書く 書かせていただく
  送る 送らせていただく
  食べる いただく 頂戴する
  与える さしあげる 献上する 献呈する 献じる 進呈する
  いる おる
  受ける 拝受する お受けする
  借りる 拝借する お借りする
  訪ねる うかがう 参上する あがる お邪魔する お訪ねする
  尋ねる うかがう お尋ねする
  飲む いただく 頂戴する
  もらう いただく 頂戴する たまわる 拝受する

 謙譲語の【人称代名詞】
  わたし わたくし わたくしども 手前 小生 拙生 愚生 老生 不肖 
  小職

謙譲語の【手紙等の見出し語】
  父    父・老父
  母    母・老母
  両親   両親・父母・老父母
  夫    夫・主人・宅
  妻    妻・家内・拙妻
  息子   息子・愚息(長男・次男)
  娘    娘(長女・次女)
  子    子供
  兄    兄・舎兄・家兄・愚兄(長兄・次兄)
  姉    姉・愚姉(長姉・次姉)
  弟    弟・舎弟・愚弟
  妹    妹・愚妹  
  家族   家族・家族一同
  友達   友人
  会社   当社・弊社
  商店   当店・弊店 
  意見(考え) 私見・浅見・私説・愚説・私考・愚考・私案・愚案・愚意
  気持ち  寸志・微志・微意
  名前   愚名
  家    拙宅・拙家・弊家
  手紙   書状・書簡・書面・寸書・愚書


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