夏目漱石、夢十夜、1908年の7月から8月にかけて朝日新聞紙上で10回連載されたそうだ。それを、現代によみがえらせる、小説本文は現代仮名遣いの岩波文庫版に準拠ということである。
夏目漱石「夢十夜」
第十夜
庄太郎(しょうたろう)
攫(さら)われて
七日(なのか)目(め)
床(とこ)
健(けん)
好(こう)男子
被(かぶ)って
水菓子屋(みずがしや)
徃来(おうらい)
頻(しきり)に
その外(ほか)
水蜜桃(すいみつとう)
林檎(りんご)
枇杷(びわ)
奇麗(きれい)
籠(かご)
見舞(みやげ)物(もの)
行(ゆ)ける
夏蜜柑(なつみかん)
銭(ぜに)
賞(ほ)めて
脱(と)って
挨拶(あいさつ)
籠詰(かごづめ)
指(さ)して
提(さ)げて
閑人(ひまじん)
頗(すこぶ)る
気作(きさく)な
一所(いっしょ)
如何(いか)な
余(あん)まり
呑気(のんき)
只事(ただごと)
何処(どこ)
何(なん)でも
絶壁(きりぎし)
天辺(てっぺん)
此処(ここ)
御覧(ごらん)なさい
覗(のぞ)いて
切岸(きりぎし)
豚(ぶた)に
舐(な)められ
好(よ)う御座(ござ)んすか
雲(くも)右衛(え)門(もん)
大嫌(だいきらい)
命(いのち)
易(か)えられない
見合(みあわ)せて
濱榔樹(びんろうじゅ)洋杖(ステッキ)
鼻頭(はなづら)
打(ぶ)った
絶壁(きりぎし)
接(つ)いでいる
擦(す)り
真逆様(まっさかさま)
転(ころ)げ
遥(はるか)
青草原(あおくさばら)
辺(あたり)
群(むれ)
見懸(めが)けて
心(しん)から
黒雲(くろくも)
無尽蔵(むじんぞう)
振(ふる)って
七日(なのか)
六晩(むばん)
叩(たた)いた
精根(せいこん)
蒟蒻(こんにゃく)
余(あんま)り
善(よ)くない
尤(もっと)も
貰(もら)いたいといっていた。
夏目漱石「夢十夜」
第十夜
庄太郎(しょうたろう)
攫(さら)われて
七日(なのか)目(め)
床(とこ)
健(けん)
好(こう)男子
被(かぶ)って
水菓子屋(みずがしや)
徃来(おうらい)
頻(しきり)に
その外(ほか)
水蜜桃(すいみつとう)
林檎(りんご)
枇杷(びわ)
奇麗(きれい)
籠(かご)
見舞(みやげ)物(もの)
行(ゆ)ける
夏蜜柑(なつみかん)
銭(ぜに)
賞(ほ)めて
脱(と)って
挨拶(あいさつ)
籠詰(かごづめ)
指(さ)して
提(さ)げて
閑人(ひまじん)
頗(すこぶ)る
気作(きさく)な
一所(いっしょ)
如何(いか)な
余(あん)まり
呑気(のんき)
只事(ただごと)
何処(どこ)
何(なん)でも
絶壁(きりぎし)
天辺(てっぺん)
此処(ここ)
御覧(ごらん)なさい
覗(のぞ)いて
切岸(きりぎし)
豚(ぶた)に
舐(な)められ
好(よ)う御座(ござ)んすか
雲(くも)右衛(え)門(もん)
大嫌(だいきらい)
命(いのち)
易(か)えられない
見合(みあわ)せて
濱榔樹(びんろうじゅ)洋杖(ステッキ)
鼻頭(はなづら)
打(ぶ)った
絶壁(きりぎし)
接(つ)いでいる
擦(す)り
真逆様(まっさかさま)
転(ころ)げ
遥(はるか)
青草原(あおくさばら)
辺(あたり)
群(むれ)
見懸(めが)けて
心(しん)から
黒雲(くろくも)
無尽蔵(むじんぞう)
振(ふる)って
七日(なのか)
六晩(むばん)
叩(たた)いた
精根(せいこん)
蒟蒻(こんにゃく)
余(あんま)り
善(よ)くない
尤(もっと)も
貰(もら)いたいといっていた。