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恋人、愛人

2017-06-28 | 日本語の謎、なぞ
Q:「恋<愛」なのに「恋人>愛人」と意味合いが変わるのはなぜか。―― 不等号の意味するところ、愛が大きく、恋人が大きく意味領域を執るというわけであろうか、あるいは、上位概念、下位概念にその価値基準を持つとするものか、愛によって地球は救われるが、恋によてはそうならない、恋人ではトラブルが起きないが、愛人だとトラブルにつながり、日本語の愛人にはイメージが付きまとう。中国語で、我的愛人、わたしの愛人とは夫婦仲のこと、愛人となれば愛妻というようなことであるから、これは日本語のとらえ方と異なる。不等号の向きが変わるのは、愛人となったことだから、社会的に、ほかの語でいえば、妾、2号さん、側室といった意味の代わりようなのだろうか。そうすると、この語の用法が気になる。そこでいまいちど、辞書によると、そのままである。


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あいじん
【愛人】
1.恋愛の相手。こいびと。
2.だれかれにかたよらず人を愛すること。 「敬天―」


日本国語大辞典
あい‐じん 【愛人】
解説・用例

〔名〕

(1)人を愛すること。

*西洋事情〔1866〜70〕〈福沢諭吉〉外・二「世人或は愛人の美名を買はんとして慢に政府の任を責め」

*文明論之概略〔1875〕〈福沢諭吉〉五・九「仁徳天皇民家に炊煙の起るを見て朕既に富めりと云ひしも、必竟愛人の本心より出て、民の富むは猶我富むが如しとの趣意にて」

*礼記‐檀弓上「君子之愛〓人也以〓徳、細人之愛〓人以〓姑息〓」

(2)愛しているいとしい異性。恋人。特に、夫や妻以外の愛している異性。

*英和対訳袖珍辞書〔1862〕「Honey 蜂蜜、愛人」

*楚囚之詩〔1889〕〈北村透谷〉七「余は幾度も軽るく足を踏み、愛人の眠りを攪(さま)さんとせし」

*吾輩は猫である〔1905〜06〕〈夏目漱石〉九「親友も汝を売るべし。父母も汝に私あるべし。愛人も汝を棄つべし」

*プールサイド小景〔1954〕〈庄野潤三〉「姉の方にはパトロンとか愛人らしきものは居ない様子で」

語誌

(1)もともとは(1)の意味であったが、「英和対訳袖珍辞書」などに見られるように、江戸時代末頃からhoney, lover, sweet〓heart などの翻訳語として、(2)の意味でも使われるようになった。

(2)第二次大戦後、新聞などで「情婦」「情夫」の婉曲的表現として用いられるようになってから一般化する。現代では、配偶者以外の、社会的に容認されにくい関係にある相手についていうことが多く、「恋人」とは区別して用いる。

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