日本人は、甘えていると、文化議論にあった。その甘えの構造はたちまちにアジアにおけるものとなったが、日本人と甘えを知らしめたのは、子が親に甘えるなよとたしなめられるのと同様、日本人に甘えるなということを日本人自身に向けたことにある。その語に法科学生の輔弼の解釈にあったのは組織のことではなく、自立しなければならないものが、自立できない心理不安にあることである。その説明をとれば、日本人が皆、甘えているのではないことがわかるし、むしろ甘えているものはひとりもいないことがわかる。甘えは、親に甘えることに成立し、人に甘えることには不成立、神仏に甘えることは論外なこととなる。日本人は自立性の高い生活と習慣を持っている。
『「甘え」の構造』(土居健郎著、弘文堂、1971年出版 ISBN 4335651066)
日本人論の一つ
英語版「The Anatomy of Dependence」は1973年に、Kodansha Americaによって出版
『「甘え」の構造』(土居健郎著、弘文堂、1971年出版 ISBN 4335651066)
日本人論の一つ
英語版「The Anatomy of Dependence」は1973年に、Kodansha Americaによって出版