これを運送用語とすることは、荷物運搬の包装に見えるからである。
それが、そもそも、
>対象物が損壊する恐れがあるため倒立状態(上下逆さま)ないし傾けた状態で輸送してはいけないこと
とあるように、運送業者の扱いのためであった。
それを言葉の解釈で、その約束事が通じなくなった、つまり、この用語をもとに運搬する人が取り違えては大変なことであるが、一般にはこの語の用法を知らずして荷物をさかさま積みにすることがあって、波紋を広げたようである。
まずは天地のとらえ方がわからなくなってきている。
天と地はひっくり返るものではないということがあって、それは驚天動地の類となる。
無用は心配ご無用などの使い方がある。
また天地には、天地するという意味があって、
>─する)上下をひっくりかえすこと。
*滑稽本・早変胸機関〔1810〕「裾廻しは天地(テンチ)するだよ」
となる。
これは天地すること無用、そうしてはいけない、ということである。