読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

開催中のCOP10、生物多様性を守れるか?

2010-10-22 12:53:13 | 新聞
国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が、いよいよ10月18日から名古屋市で始まった。年間4万種にも上るとされる生物種の絶滅を食い止め、自然環境と人間が共存するための成果を出せるかどうか、世界の注目が集まっている。

今回の会議のメインテーマは、人類が将来にわたり、生き物からの恩恵を受け続けることを可能とするための国際的な枠組み作り。生物多様性を守るため、2010年以降の具体的な目標を定めることと、生物資源で得た利益の配分について定めた「愛知・名古屋議定書」案を採択することが会議の主な目標となっている。

生物多様性条約は1993年12月に発効したが、過去の条約では生き物を守るための具体的目標が明記されず、「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」と曖昧な表現に留まった。

その結果、今日では条約の目指す方向とは裏腹に、世界各地で開発と環境破壊が進み、多くの生物種が失われている。また、生物多様性条約には、遺伝子組み換え作物などに代表される自国のバイオ産業への影響を恐れる米国が参加していない事も問題視されている。

メディアの注目が、先進国と途上国との間での、生物資源で生じた利益の配分をめぐる攻防に集まっているが、COP10を国同士の利益の分捕り合戦に終始させず、生き物の共存をめぐる話し合いの場にできるかどうかが問われている。



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