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TVドラマの筋に影響を及ぼすツイッター・ファン

2012-09-18 19:34:53 | 新聞
wsj日本版から
テレビ台本室に新たな批評家が現れ、一部のプロデューサーは台本の微調整を迫られている。ツイッターラーチ(Twitterati)だ。

米ドラマ「コバート・アフェアーズ」はツイッターのコメントに対する応えを筋に加えた
 調査会社ブルーフィン・ラブズによると、ツイッターやその他のインターネット交流サイト(SNS)に載ったテレビ番組に関するコメントはこの1年間に膨大な量になり、7月だけで7550万件と、前年同月の880万件から急増。全般のコメントの伸びをはるかに上回るペースで増えている。そしてこれらのコメントはテレビ台本に影響し始めている。

 USAネットワークのドラマ「コバート・アフェア」の台本ライターたちは、第2シーズン最終回の筋をオーギー・アンダーソンが失った視力を再び取り戻すかどうかに関するツイッター上の根強い疑問に対する答えを入れて構成することになった。アンダーソン役を演じる俳優のクリストファー・ゴーラム氏は「彼を良く思わないグループがあった。私は彼の視力が戻るというロマンチックな筋を考えていた」とし、「われわれはSNSで多くの疑問とフィードバックを得ている」と話した。

 この結果、最終回では、彼が臨床試験の候補ではないことを医師に告げられるシーンが加えられた。ゴーラム氏は「これは、この登場人物に関する疑問に終止符を打つために入れられたことが非常に明確なケースだった」と語った。

 ツイッターでのつぶやきにこれほどはっきりと応えるテレビ制作者はまだ少数派だ。多くのプロデューサーたちはリアルタイムで視聴者がどのような反応を示したかのコメントを注視しているというが、台本や構想について、ファンの言いなりになることには慎重だ。

 CBSとワーナー・ブラザーズの合弁、CWネットワークで放映されたワーナー・ブラザーズ制作「ヴァンパイア・ダイアリーズ」のエグゼクティブ・プロデューサー、ジュリー・プレック氏は「あまり左右されないように努力している」と述べた。

 ただ、シナリオライターがツイッターを無視できない時も何度かあった。例えば、2011年5月に放映された第2シーズンの最終回では、招待されていないキャサリンという吸血鬼が家に入るシーンがあった。吸血鬼伝承では吸血鬼は招待されなければ人の家に入れないのだ。この決まり事への違反についてはツイッター上で多くの疑問の声が聞かれた。


 ライターは、キャサリンがどのようにして家に入れたかを次回、第3シーズンの1回目に説明する予定だったが、これをうまく台本に入れるところが見つからなかった。プレック氏は「疑問に答えなかったので、われわれは『そのままにしておこう』ということになった」と話した。同氏は、しかし、ファンは、この疑問を繰り返し、「そのシーズンの半分は至るところのファンからその疑問を投げかけられていた」と話した。ブルーフィンによれば、11~12年のシーズンではエピソード1回に平均で5万7000件のコメントがあり、これはドラマへのコメント数としてトップクラスだったという。

 結局のところ制作スタッフは、問題の家の以前の持ち主が吸血鬼だったという説明で、キャサリン問題を解決した。

 ただ、ツイッター上のコメントの価値について懐疑的なプロデューサーもいる。ほとんどのコメントは比較的少数のグループが書いているとみられるからだ。ブルーフィンが統計を取った、テレビに関する7月のコメント7500万件を書いたのは800万人だった。ニールセンによれば、米国でテレビを持つ世帯数は約1億1500万に上るのだ。

 フォックス・ネットワークのドラマ「グリー」のエグゼクティブ・プロデューサー、ブラッド・ファルチャック氏は「じゅうたん爆撃のようなコメントを書いているのは時として同じ人物だ」と述べ、「これを過度に取り上げることは危険だ」とした。「グリー」に関する昨シーズンのSNSコメント数はトップだった。フォックスはウォール・ストリート・ジャーナルと同様、ニューズ・コーポレーションの傘下にある。

記者: John Jannarone


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