読書など徒然に

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15%-全米中絶件数の予想減少率

2012-08-27 19:18:44 | 新聞
wsj日本版から

15%。仮に全米のうち31州が妊娠中絶を禁止した場合の、全米の中絶件数の減少率。エコノミストが推定した。

 エコノミストたちは、妊娠中絶が合法だった1970年代のニューヨーク州の統計を使って、中絶を希望した女性が住むところからニューヨーク州までの距離と中絶率との間に「強い連関」があると結論した。この期間は、ロー対ウェイド事件(Roe v. Wade、妊娠中絶を全国的に合法とした1973年の連邦最高裁の判決)以前までの統計だ。「中絶率は、女性の住んでいるところがニューヨーク州から100マイル(160キロ)離れるごとに、11.9%低下した」とテオドア・ジョイス(ニューヨーク市立大学バルーチ・カレッジ&グラデュエイト・センター)、ルオディン・タン(ニューヨーク市立大学グラデュエイト・センター)、ユシウ・ツアン(イェール大学公共医療大学院)の3人が全米経済研究所(NBER)の論文で明らかにしている。

 3人は、こうした統計を使って、幾つかのシナリオを想定し、そのシナリオの下での全国的な中絶率への効果を推定している。仮に連邦最高裁がロー対ウェイド判決を覆し、各州に中絶禁止などの規制を認めていた場合を想定して、3人は幾つかの州の憲法と現行の法律の分析に基づいた2つのシナリオを策定した。2つのシナリオのうち、より極端なシナリオとして、31州が中絶を禁止した場合、最も近い合法的な中絶州までの距離は平均157マイル増えていただろうし、中絶率は15%減少していただろう、と3人は推定した。それほど極端でない17州が中絶を禁止したシナリオでは、減少率は6%にとどまっていただろうという。

 彼らはまた、1973年のロー対ウェイド事件以前、中絶がアラスカ、カリフォルニア、ハワイ、ニューヨーク、ワシントンの各州でのみ合法的だったシナリオを検討した。このシナリオでさえ、中絶件数は30%減少にとどまっていたと予想されている。

 1970年代以降の文化的、技術的な変化を考慮した場合、こうした中絶の減少率は、さらに低下していた可能性がある。3人は「1972年以降、明らかに、再生産(生殖補助医療)技術、通信、(中絶合法州までの)旅費の重要な変化があり、その結果、ロー事件が覆されていた場合の中絶件数への効果に関する予測は極めて不確かなものになる」と述べている。

 しかし、全米的な禁止が実施されていない現状で、今回のデータは、中絶が非合法なところに住んでいる女性の大多数は、中絶が可能な州に行って手術を受けるだろうということを示している。

記者: Phil Izzo


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