読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

『天ぷら』雑感

2011-04-09 09:27:08 | 歴史
そもそも『天ぷら』の語源が明確ではない。
色々ある説のひとつが『ヨーロッパ渡来説』。
それによれば、スペイン語の『テンポラ(斎日(さいにち)』、またはポ
ルトガル語の『テンペーロ(ちょうみりょう)』が語源であると言う説。
 この説によれば、いわゆる南蛮人が日本に渡来した16世紀後半に『
天ぷら』が登場したことになる。
徳川家康は元和2年(1616年)4月17日、満73歳で死去した。
 当時としては、『天寿を全うした』と言える。
 その死因として伝わっている俗説が『天ぷらを食べて中毒』。
 しかし、文献資料には『鯛を油で揚げた料理』と記述されているだけらしく
 これが現在の『天ぷら』と同じあるかどうかははっきりしない。
 家康死去の69年後の貞享2年(1685年)に編纂された『料理献立集』
と言う書物がある。それによれば、朝鮮通信使を接待した際の料理に『テンプラリ』と有る。
 これが『天ぷら』が文献に登場する最初といわれている。
この『天ぷら』が一般化し、庶民の口に入るようになったのは、19世紀
の初め、十一代将軍・家斉の時代だと言う事だ。
 今から200年前の事になる。