読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

震災雑感

2011-04-26 10:21:35 | 歴史
1923年(大正12)関東大震災の混乱時、大杉栄、その妻伊藤野枝、甥らを社会主義の危険分子とみなし、憲兵隊の甘粕正彦が虐殺したと言う事件が有った。この事件で甘粕は軍法会議にかけられ、懲役10年の刑を受けたが事件の背景に軍の上層部が居たと言われているように、彼は三年で仮釈放と言う軽い処分で済んでいる。甘粕はその後映画会社の理事と言う意外な方向に向かった。その会社は軍事目的である満州建国のためのものであったが、彼は映画は自由に製作させたらしく、監督、脚本、技術部門まで中国人を積極的に採用し、日本人だが中国語が堪能だとして李香蘭を中国人スターとして育てさえした。彼の最期は1945年(昭和45)8月20日、敗戦の5日後、満鉄理事長室で青酸カリ自殺している。