百人一首に入る。豊かな音調からイマージュが湧く。どうあがいても原歌の足元には、及ぶべくもなし。
【略注】○村雨=(群れ雨。) にわか雨。
○槙=杉や桧の仲間。「真木…イヌマキ科の槙ではない。」(岩)
○寂蓮=藤原定長から出家。伯父俊成の養子。集選者だったが、完成直前に死。
35首入集。
【補説1】評価。「洗練された音楽的声調…枯淡・幽寂な景観」(小) 「針葉樹の重厚な緑
の世界…さびた美を湛えた作。」(新)
【補説2】「秋の夕暮」も新古今歌人の定番表現だ。この歌の前後を調べてみた。(「~」部
分。悠 043 【補説】も合わせて参照されたし。)
0321 天の川原の~(式子)
0347 ほのかに見ゆる~(読人しらず)
0357 なほ色まさる~(良経)
0359 ながめてけりな~(良経)
0361 槙立つ山の~(寂蓮)
0362 鴫立つ沢の~(西行)
0363 浦の苫屋の~(定家)
0364 葎の宿の~(雅経)
0491 霧立ちのぼる~(寂蓮) この歌。
このうち、0361寂蓮・0362西行・0363定家の三歌を「三夕(さんせき)」と言うと。
はやばやと朝より赤くあざやかに
四時を待ちたる夕化粧かな
21日、自宅。赤ばかり百本ぐらい、咲き放題中。
白粉花(おしろいばな)。夕化粧。英語名 a four-o'clock、a marvel-of Peru。
写真の技法。中右は、花びらを範囲指定して、色調整。下は、横から撮影し
て切り取り、拡大比で調色、貼り付け。時間をかけた割には凡庸な仕上がり。