暑き日に花びらひろげ咲きしこそ
硫黄の色の秋桜なれ
黄花(きばな)コスモス。コスモスは秋桜(あきざくら)ともいう。金鶏菊(きんけいぎ
く)、大金鶏菊(おお~)、コスモス、などなど、よく似ている。わが家の庭には、もう
源氏・蓬生状態で咲き乱れ放題。花期は秋の終わりまでか。
学名は Cosmos sulphureus とか。とすればこれは sulphur(or sulfur)、つまり硫
黄の派生語(この場合、後置形容詞)ではないか。また英語にも、sulfur yellow が
ある。それを採ってみた。
■新古今人の秋への思いは強い。なかでも「秋の夕暮」や「秋の夜の月」を結句とす
る歌が、非常に目立つ。(別項補注を予定)
【略注】○色=「けしき。」(岩波版) 「秋の色。」(小学版)
○色まさる=「広がる哀感。いちだんと哀感のまさる」(小学版) 「一段とあわ
れさの身にしむ」(岩波版) 「さらに悲しみの色がまさる」(新潮版)
○藤原良経=集では摂政太政大臣。悠 029 参照。