悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

093 道ばたの

2005-10-31 05:45:00 | 新古今集

 女のもとへ行ったが、具合がわるくなって、帰宅した。このまま、道端の芝の露が消えるように死んでしまったら、どうしよう、と歌を贈った。
 ひらかなs1187:たれゆきて きみにつげまし みちしばの
          つゆもろともに きえなましかば

【略注】○道芝=道端の芝。名もない、儚いもの(の命)。
    ○賀茂成助(なりすけ)=神主成直の子。珍しい命名。一首。

短歌写真2005-1031 天駆ける

2005-10-31 05:40:00 | 短歌写真

 見上げているうちに、こういうイマージュになった。恵比寿ガーデン・プレースで。
 ペガサス:本来のギリシャ語では ΠΗΓΑΣΟΣ(ペーガソス)、ラテン語・英語では Pegasus(ラ読み=ペガスス、英読み=ペガサス)。日本では、英語なまりのペガサスが通用する。
 ひらかな:あまがける はねもがれては みもだえし
       おつるをまつか あはれぺがさす

短歌写真2005-1030 温暖の

2005-10-30 06:20:00 | 短歌写真

 紫紺野牡丹。標準花期(関東)は7~10月だと言われるが、近年早く咲きだして、遅くまで花をつける。もう霜月はそこまで来ているというのに。撮影地は品川区内。今回、花名は人に教わったが、英語名は Glory flower が通用らしい。検索するときは学名の Tibouchina で。
 私のブログ、花の写真はサブなのだが、歌より花、という方が多い? そういう方のために、次のサイトを紹介する。英語だけれど、なにより花写真がいっぱいで、楽しい。サイズもいろいろで、たとえばこの Tibouchina の沢山の写真の中には、2000*1500pixels などという大きなサイズのものもあった。読者の掲示板もさかんで、ガーデニングの話もいっぱい。残念ながら、日本人はなかなか、という現状である。
   
http://community.webshots.com/user/photoop23

 ひらかな:をんだんの すすみてつぼみ つけしまま
       しこんのぼたん しもつきいるや


092 あの契り夢の

2005-10-30 05:45:00 | 新古今集

 「夢」の扱いを全く変えてある。詞書に「人にもの言ひはじめて」、つまりようやく男女の仲になってとあって、男(名はない)の意を受けたものの、顔から火が出るような純粋な気持ちで、歌を詠んだ。これに先立つ才女たちの、ほぼ同旨の二作を紹介する。艶やかな歌の競演。
 1159 夢とても人に語るな知るといへば
     手枕ならぬ枕だにせず     伊勢
 1160 枕だに知らねばいはじ見しままに
     君語るなよ春の夜の夢     和泉式部
【略注】○うたた寝=ここでは、共寝。一夜の契り。
    ○馬内侍(うまのないし)=源時明の娘。「紫式部・清少納言・和泉式部・赤染衛門ら
    とならぶ才女。」(小学版)
【補説】評価。「はかない一夜の逢いを遂げえてのちも、死ぬほどのせつなさにいるのだか
    ら、ふたりの恋をうっかり人に漏らしてくれるな、と訴えたのである。女心の哀歓がに
    じみ出ている。」(同)

 


短歌写真2005-1029 深藍に

2005-10-29 05:25:00 | 短歌写真

 札幌に「ラベンダー発祥の地」の碑、という写真を見た。いまだに和名の正称もないにひとしいくらい、日本での栽培は新しい。しながわ区民公園で。あるハーブのサイトに、花言葉がこう書いてある。
   In the language of flowers, lavender represents ardent attachment,
  devotion, success, and luck.
     http://www.superbherbs.net/lavender.htm

 ひらかな:ふかあいに はげしきあいを ひめしとや
       むれずたちさく なはらべんだー

短歌写真2005-1028 地を歩み

2005-10-28 00:00:00 | 短歌写真

 イカロスは天空を目指して墜落した、ギリシャ神話に登場する、伝説上の人物。レインボー・ブリッジの下を通過しながら。
 イカロス:本来のギリシャ語では ΙΚΑΡΟΣ(母音はすべて短音、強勢は語頭)。ラテン語・英語では Icarus(ラ読みはイカルス、英読みはイカラス、アイカラス)。日本ではギ読みが親しまれている。
 ひらかな:ちをあゆみ ちはしるをうみ ちをはなれ
       あめあふぎたる いかろすはたぞ


短歌写真2005-1027 黒金に

2005-10-27 05:00:00 | 短歌写真

 東京湾のあちらこちらに、と言っていいくらい、この巨大なクレーンが見える。さながらトロイア(トロヤ。一般には英語風なまりの「トロイ」が通用)の木馬だ。現代に「鉄馬」軍団となって蘇り、名もない民草を滅びの地へ導く、ということにならなければいいのだが・・・。潮風公園付近の海上から。
 ひらかな:くろがねに かはりしなれの あないせる
       ゆくへはほろびか とろいのうまよ


短歌写真2005-1026 初めての

2005-10-26 00:15:00 | 短歌写真

 今年は『古今和歌集』『新古今和歌集』の記念年ということで、国内各地で関連行事が盛んだ。小規模な三の丸尚蔵館(第39回展)では、師走初旬までの約二か月間、「やまとうた-美のこころ」が催されている。両集に関心のある方は、天皇家に伝わるものだけ、次の公開は不明、しかも無料というこの機会に、ぜひ参観をすすめたい。
 私は、「本阿弥切本(ほんあみぎれぼん)古今和歌集」の伝小野道風の書に、身が引き締まるほどの感動を覚えた。見るなら本物!
 ひらかな:はじめての しゃうざうくゎんに ときめきつ
       こきんしんこの ふであとをみゆ


短歌写真2005-1025 露留めて

2005-10-25 03:35:00 | 短歌写真

 石蕗(つわぶき)の花言葉は、蘇る愛 returned love・解き放たれた愛 reliesed love・尽きない愛 inexhaustible love とか。語頭押韻の遊び。東御苑で。
 ひらかな:つゆとめて つややにさける つわぶきは
       つきせぬあいの つくばひのはな