女のもとへ行ったが、具合がわるくなって、帰宅した。このまま、道端の芝の露が消えるように死んでしまったら、どうしよう、と歌を贈った。
ひらかなs1187:たれゆきて きみにつげまし みちしばの
つゆもろともに きえなましかば
【略注】○道芝=道端の芝。名もない、儚いもの(の命)。
○賀茂成助(なりすけ)=神主成直の子。珍しい命名。一首。
紫紺野牡丹。標準花期(関東)は7~10月だと言われるが、近年早く咲きだして、遅くまで花をつける。もう霜月はそこまで来ているというのに。撮影地は品川区内。今回、花名は人に教わったが、英語名は Glory flower が通用らしい。検索するときは学名の Tibouchina で。
私のブログ、花の写真はサブなのだが、歌より花、という方が多い? そういう方のために、次のサイトを紹介する。英語だけれど、なにより花写真がいっぱいで、楽しい。サイズもいろいろで、たとえばこの Tibouchina の沢山の写真の中には、2000*1500pixels などという大きなサイズのものもあった。読者の掲示板もさかんで、ガーデニングの話もいっぱい。残念ながら、日本人はなかなか、という現状である。
http://community.webshots.com/user/photoop23
ひらかな:をんだんの すすみてつぼみ つけしまま
しこんのぼたん しもつきいるや
「夢」の扱いを全く変えてある。詞書に「人にもの言ひはじめて」、つまりようやく男女の仲になってとあって、男(名はない)の意を受けたものの、顔から火が出るような純粋な気持ちで、歌を詠んだ。これに先立つ才女たちの、ほぼ同旨の二作を紹介する。艶やかな歌の競演。
1159 夢とても人に語るな知るといへば
手枕ならぬ枕だにせず 伊勢
1160 枕だに知らねばいはじ見しままに
君語るなよ春の夜の夢 和泉式部
【略注】○うたた寝=ここでは、共寝。一夜の契り。
○馬内侍(うまのないし)=源時明の娘。「紫式部・清少納言・和泉式部・赤染衛門ら
とならぶ才女。」(小学版)
【補説】評価。「はかない一夜の逢いを遂げえてのちも、死ぬほどのせつなさにいるのだか
ら、ふたりの恋をうっかり人に漏らしてくれるな、と訴えたのである。女心の哀歓がに
じみ出ている。」(同)
イカロスは天空を目指して墜落した、ギリシャ神話に登場する、伝説上の人物。レインボー・ブリッジの下を通過しながら。
イカロス:本来のギリシャ語では ΙΚΑΡΟΣ(母音はすべて短音、強勢は語頭)。ラテン語・英語では Icarus(ラ読みはイカルス、英読みはイカラス、アイカラス)。日本ではギ読みが親しまれている。
ひらかな:ちをあゆみ ちはしるをうみ ちをはなれ
あめあふぎたる いかろすはたぞ
東京湾のあちらこちらに、と言っていいくらい、この巨大なクレーンが見える。さながらトロイア(トロヤ。一般には英語風なまりの「トロイ」が通用)の木馬だ。現代に「鉄馬」軍団となって蘇り、名もない民草を滅びの地へ導く、ということにならなければいいのだが・・・。潮風公園付近の海上から。
ひらかな:くろがねに かはりしなれの あないせる
ゆくへはほろびか とろいのうまよ
今年は『古今和歌集』『新古今和歌集』の記念年ということで、国内各地で関連行事が盛んだ。小規模な三の丸尚蔵館(第39回展)では、師走初旬までの約二か月間、「やまとうた-美のこころ」が催されている。両集に関心のある方は、天皇家に伝わるものだけ、次の公開は不明、しかも無料というこの機会に、ぜひ参観をすすめたい。
私は、「本阿弥切本(ほんあみぎれぼん)古今和歌集」の伝小野道風の書に、身が引き締まるほどの感動を覚えた。見るなら本物!
ひらかな:はじめての しゃうざうくゎんに ときめきつ
こきんしんこの ふであとをみゆ