恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

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アジアと核と「二重基準」

2006年09月14日 | 外交・国際
■ アジア

 9月12日、民主党代表に再選された小沢一郎氏は、「外交では先の戦争に対する反省を踏まえて・・・アジア諸国との信頼関係を醸成する」と述べました。
 この小沢氏の発言は、昨年「日米関係がうまくいけばいくほど隣国との関係もうまくいく」と述べた小泉首相、そしてその路線を継承するであろう安倍官房長官との対立軸を明確にする狙いがあります。

 日本はアジアの、ずいぶん東に位置しますが、そのアジアは遠く中東まで及びます。
 彼ら政治家の目には、どの程度までアジアが映っているのでしょうか。

■ 核

 そのアジアを語るとき、戦後後半のキーワードは「核」ではないかと思います。
 ロシア・中国という核保有国はもとより、イスラエルにはじまり、インド・パキスタン、そして北朝鮮、イランの核開発など、アジアにおける核拡散は、被爆国・日本をはじめ多くのアジアの人々が懸念するところだと思います。

■ 中央アジア非核地帯条約

 こうした核保有国や核開発国の「谷間」に置かれる中央アジア5カ国(カザフスタン・キルギス・タジキスタン・トルクメニスタン・ウズベキスタン)は9月8日、「中央アジア非核地帯条約」を締結しました。その内容は、日本の「非核三原則」をモチーフにしたものだと伝えられています。

 この5カ国は、かつて世界第2位の核保有国であった旧ソ連に属し、その崩壊の後に独立を果たしたところです。核兵器が身近に置かれる恐怖をよく知っています。
 それが今や、他国として北に位置するロシア、東には中国、南・南東にはインド・パキスタン、西にはイラン・イスラエルなど四方を「核」が取り囲んでいるのです。

 「この中央アジアの地に、核を持ち込まないでほしい。」
 その思いには切実なものがあることでしょう。

■ 非核への決意

 さて、モチーフとされた「非核三原則」は、「核兵器を、持たず、作らず、持ち込ませず。」というものであり、1967年、当時の佐藤栄作首相の国会での発言に端を発しています。
 この5カ国が「持たず、作らず」を実行することは、それほど難しいことではありません。自分たちの決意があれば、それを貫くことができます。
 問題は「持ち込ませず」です。この点については日本政府も、国民の目を欺くことに苦慮してきました。
 
 そこで中央アジア5カ国はこの「非核地帯条約」を、核を保有する各国にも署名するよう求めたのです。

■ やったもの勝ち

 しかし米国は12日、この条約への署名を拒否しました。
 米国のほかにも英・仏両国が異議を唱えていると伝えられています。
 これにより、この「非核地帯条約」は、「持ち込む」側のわがままによって、実質的効力を失ってしまったのです。

 核の恐怖を知り、核の持込を拒絶しようとする中央アジアの国々の思いを、自国の戦略のために踏みにじるという姿勢は、国際社会において強く非難されるべきだと思います。

 「核不拡散」を唱え、特定の核開発は攻撃的に非難しながら、同じ新興核開発国のイスラエル・インドは逆に協力体制を結ぶという、この米国の「二重基準(ダブル・スタンダード)」が、「やったもの勝ち」の前例をつくり、逆に核の拡散を招いていることは言うまでもありません。

■ 中央アジアの「日本人像」

 中央アジアの人々は、日本人が彼らを知る以上に、日本人をよく知っています。
 大戦後、ソ連に抑留された旧日本兵が、この地にも多く設けられた収容所で暮らし、ダム・貯水池や建築物などの工事に従事しました。今も当時のものが多く残り、ある建物にはそのことに感謝するメッセージも彫られているそうです。

 駐タジキスタン大使や駐ウズベキスタン大使を務めた人物の話によれば、現地の人々は「日本人の、あの真面目さを見習え」と子どもたちに説いた時期があったそうです。そして当時の子どもたちが、収容所のフェンスの隙間からパンを差し入れたころ、数日後その場所には「手作りのおもちゃ」が置いてあったという話も聞きました。
 日本人の真面目さ・律儀さを物語る逸話として、現地では有名なのだそうです。
 
■ 「(日米)対等」と「非核三原則」

 それも、もう半世紀以上前の話です。
 日本では、二度の被爆体験も忘れ、「核保有は合憲」「すぐにもできる」と語り、「敵基地攻撃論」を掲げるような人物に、次期首相の席が用意されています。

 彼の祖父である岸信介氏が、日米安保条約改定(60年安保)を強行した際、日米間について「対等の関係」を強調しました。その岸氏の弟である佐藤栄作氏は、前述の「非核三原則」を掲げ、それは今も日本の国是として存在します。

 「対等の関係」「非核三原則」を言うならば、日本の取るべき道は、中央アジアの「非核地帯条約」を支持し、米国に対してこれに署名するよう進言するということです。
 そうでなければ日本は、国際社会において、それこそ「二重基準」のそしりを免れません。
 その基準を示したのが、彼らの「身内」であれば、なおさらです。

■ 誇り

 日本は中央アジアをよく知りません。それは民主党の小沢氏も同じでしょう。
 しかし、中央アジアの人々の、日本への目は違います。

 「真面目で律儀な日本人」

 中央アジアの人々が描いてきた、この日本人像を、私は同じ日本人として、政治家の「二重基準」などで壊してほしくないと思います。 
 それこそ日本人の「誇り」を、自ら傷つける行為です。

■ おわりに

 最後になりますが、今回触れた駐タジキスタン・駐ウズベキスタン大使の名前を明かしていませんでした。
 5年前、小泉首相の訪朝により北朝鮮が「拉致」を認めました。
 当時の官房副長官であった安倍晋三氏は、内閣官房参与の中山恭子氏とともに、この被害者の家族の傍にいました。
 その中山恭子氏こそ、この元大使です。

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6 コメント

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ご無沙汰してます. (diaspola)
2006-09-14 07:54:32
どうもご無沙汰しております,diasporaです.



ここ1年以上,ほとんど本館のWEBサイトの更新をしておらず,ご無沙汰してしまって申し訳ありません.

久しぶりにgoo-needsさんのページに来て,その相変わらずの批評精神を目にする事が出来嬉しく思っています.



実はこのところWEBサイトの更新をしなくなっていたのは,ネットでの主な活動の場をmixiというSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)に移していたからなんです.



僕がやっていた(今もあるんですが)gooのHPよりも,友人を作るネットワーキングの面でとても有用なものですから,どんどん対話が広がって行くに連れ,そちらへと活動の場を移したという訳なんです.



そこで,もしよろしければgoo-needsさんもそのmixiにお誘いしたいと思うのですが,如何でしょうか.



こちらはWikipediaにあるmixiの記事です.

http://ja.wikipedia.org/wiki/Mixi



使い方などはこちらが判りやすいと思います.

招待制度をとっているため,ユーザの招待がないと中がどうなっているのかが判らなくなっていますが,このHPを一通り見るとだいたい判るかと思います.



お時間がありましたら教えて頂けませんでしょうか (さき)
2006-09-15 12:54:23
goo-needsさん、TBありがとうございました。

先の記事も、とても勉強になりました。



頂いた記事とは違う内容なのですが、もしもお時間がありましたら、教えて頂けませんでしょうか。



民主党の小沢氏は、少し前に本を出して、愛国心の強制はいけないと書いているそうですし、最近TVで話を聞いても、教育基本法改悪に反対なのかと思える口ぶりです。これだけ聞いたら信用したくなりますが、民主党はHPで、民主党の改悪案を大きく宣伝しています。



それで、どう考えたらよいのかわからないのです。民主党は本気で教育基本法改悪を阻止するつもりなんでしょうか?小沢氏は、ほんとは民主党案に反対だけど立場上言えないのか、ほんとは民主党案に賛成なのか、どっちなんでしょうか?ヘンな質問ですみません。



いずれにしても、国会の情勢をじっくり見ていかねばならないと思っています。そうすればわかるのだろうと思っていますので、お忙しかったら無理をなさらないでください。もしお暇がありましたら教えて頂けましたら嬉しいです。







お久しぶりです (goo-needs)
2006-09-18 21:27:36
 本当にお久しぶりです。

 その後いかがお過ごしかと思っておりましたが、お元気そうで何よりです。

 そうですか。mixi内でご活躍でしたか。

 私は、ほんの一週間ほど前まで、そのmixiを知りませんでした。

 そこで情報交換を行っているというNPOの人の話を聞き、興味を持っていたところです。

 そちらにご紹介いただけるとのこと、本当に有難く御礼申し上げます。

 ぜひ宜しくお願い致します。

 こちらまでメールをお願い致します。

 goo_needs@yahoo.co.jp



 今後とも何卒宜しくお願い致します。



goo-needsより



小沢民主党と教育基本法 (goo-needs)
2006-09-19 02:33:42
さき様 いつも有難うございます。

小沢民主党と教育基本法について、お答えいたします。

確かに著書では、愛国心強制に異を唱えていると聞きますが、では、教育基本法改悪の民主党案をどう説明するのでしょうか。明らかに「愛国心強制」を明記し、小泉首相も「民主党案の方が良い」と絶賛した、あの法案です。

小沢氏は、「偽メール」後の前原代表辞任を受けた代表選のとき「人間をつくる」ことを唱えていますし、先日の再選にあたり「現行の教育基本法に代わり、『日本国教育基本法』を制定し…」とする「私の基本理念」を発表しています。



教育基本法に対する、民主党の態度で言えば、先の通常国会閉会の間際、6月8日に開かれた、民・共・社・国新4野党の幹事長・書記局長・国対委員長会談が開かれました。

そこでは、社民党の又市幹事長の「次期国会は新内閣なのだから、現(小泉)内閣が通常国会で成立させることができなかった内閣提出法案は、全て一度、廃案にし、必要なら新内閣が改めて出すのが筋だ。」という主張に、民主党の鳩山由紀夫幹事長らも「確かにその通りだ」として、結果4野党が合意したのに、民主党だけが勝手に土壇場で自民党と諮り、政府案・民主党案ともに「継続審議」にしてしまった経緯があります。

その数日後、小沢氏・鳩山氏らは「現場が勝手に決めた」と居直ったということですから、かなり悪質です。



その一方で、野党連携を必死で模索する小沢氏の姿があります。

そこに私たちの「望み」が託されていると思いますが、これについては、また改めて申し上げることと致します。



goo-needsより
ありがとうございました (さき)
2006-09-19 12:15:15
goo-needs様



ご丁寧なお返事をくださり、ありがとうございました。ずっと疑問に思っておりましたので、分かりやすく教えて頂き、すっきりしました。頂いたお返事をブログに転載させて頂きます。不勉強で申し訳ありません。大切なお時間を割いてくださり、本当にありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。















招待メールをお送りしました (diaspora)
2006-09-26 15:58:35
mixiへの招待メールをお送りしました.

まずはいちど見てみてください.

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