恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

岩国市の皆様に敬意と感謝を

2006年03月12日 | 基地・有事体制
■ 移転受け入れ「反対」圧倒的多数

 山口県岩国市では12日、米軍再編による空母艦載機57機の受け入れの賛否を問う住民投票が行われ、この受け入れ案に対し圧倒的多数が「反対」の意思を示しました。
 この岩国市民の皆様の毅然とした選択は、基地問題を抱える日本中の地域の方々に、計り知れない希望を与えることと思います。

 当初から反対票が賛成票を上回る見通しが伝えられていましたが、私も米軍再編による基地機能強化に反対する一人として、やはり結果を聞くまで正直、気が気ではありませんでした。
 この報道に思わず胸が熱くなりました。あらためて心より敬意と感謝を申し上げます。本当に有難うございました。

■ 政府・与党の反応

 しかし、この結果に対し、政府・与党の反応は今のところ大変、冷淡なものです。
 自民党の片山虎之助氏や、山崎拓氏らは、この結果を受け「防衛問題は国が決めることだ」「住民投票というやり方は好ましくない」などと発言しています。
 これは言い換えれば「政府が決めたことに国民は口を出すな」ということではありませんか。これは、あまりにも国民を見下した発言だと言わざるを得ません。

 まして、山口県と同じ中国地方の片山氏、お隣り福岡県の山崎氏がこのようなことを言うのですから、彼らには「地方の代表」などと語る資格は全くないと言えるでしょう。

■ 逃げた人物

 山口県といえばもう一人、有力な自民党議員を思い出します。官房長官の安倍晋三氏です。彼は今日、こうした難を避けるためか、地元でも東京でもなく石川県に行っています。そこで現職の官房長官が国政選挙があるわけでもないのに、なぜか街頭にまで出て演説をしているのですから、普通に考えれば不思議な話です。
 しかし彼は狡猾な人物です。自分のキャリアには非常に強いこだわりを見せます。例えば、応援依頼が殺到した昨年の総選挙でも、「刺客」騒動で分裂・対立のある選挙区には一切、足を踏み入れていません。後々まで禍根が残るような選挙区には、わが身への「飛び火」を恐れ、近づこうとしなかったのです。
 今回の住民投票のように、世間の注目を集め、そして政府側に不利な結果が予測されるときに、地元や東京にいれば、必ずマスコミにコメントを求められます。そこで、彼が片山氏や山崎氏のように、本音を口にすれば後々、総裁選に影響があるかもしれない、と踏んで森前首相の地元に匿ってもらったのではないでしょうか。
 もしそうだとすれば、最も大切なのは我が身という、政治家として実に下らない人物と言わざるを得ません。

■ この「声」を

 その点、同じ山口県民でも、岩国市の皆様は本当に毅然とした「声」を示されました。
 私たちは、これを機に、各地で「声」を強く、大きくしていかなければならないと思います。

 こうした「声」に対し、政府・与党は、暴論で押さえ込んだり、逃げたりせず、真摯に受け止めてほしいと強く思います。
 そのことができるかどうかで、彼らが米国の政治家であるか、日本の政治家であるか、が分かると思います。