ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第114巻-2国王ゴードインの依頼

2008-03-20 23:48:28 | 第111巻~第115巻

■国王ゴードインの依頼(第382話) 発表1995年5月

評価   ★★★★

依頼人  ①マイヤー・ロンブルグ第五代国王ジョルジュ・ゴードイン ②侍従長ディベッツ

ターゲット ①ブラームス・ブロック党ヒンデンブルグ党首/アラン・フロント党党首
       ②元空軍参謀長ルフェーブル

報酬    ①スペイン王室寄贈のダイヤ ②不明

今回弾丸発射数       3/ 通算弾丸発射数 2,081

今回殺害人数         3/ 通算殺害人数   4,234

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   102

<ストーリー>
マイヤー・ロンブルグ王室「第五代国王ジョルジュ・ゴードイン」の空白の一日。国王のとった行動とは・・・

<この一言>
俺が何人か、推測するのは勝手だが・・・俺の仕事の遂行能力とは関係あるまい・・・

<もう一言>
俺に関してその程度の調査で・・・依頼したのか・・・?

<さらに一言>
俺は・・・未だかつて・・・依頼者が裏切らない限り・・・依頼者との契約に反したことは・・・一度もない!

<解説>
ヨーロッパの王室「マイヤー・ロンブルグ」の正史を編纂することになった伝記作家「エッシャー」。現国王「第六代国王ジルベール・ゴードイン」とその兄「第五代国王ジョルジュ・ゴードイン」に、公式記録に残されていない空白の日程が存在することを発見したエッシャーは、侍従長「ディベッツ」に疑問を投げかける。ディベッツが語ったのは王室とゴルゴの意外な接点であった。

1991年、総選挙で与党が惨敗、王室存続に反対する極右政党「ブラームス・ブロック党」と「アラン・フロント党」が躍進し、王国は分裂の危機に瀕した。苦悩する第五代国王ジョルジュ・ゴードインに対し、ディベッツ侍従長は両党首の暗殺を進言する。クリスチャンであるゴードインは極秘裏にバチカンを訪問、法王に自身を破門するように嘆願する。事情を察した法王はゴードインを破門、ゴードインとディベッツはゴルゴに極右2政党のリーダー暗殺を依頼する。王室には自由になる現金がないため、暗殺に対する報酬としてスペイン王室より授かったダイヤモンドの指輪を提示、ゴルゴはこれを応諾する。また、「王国連邦国内で王室の援助が必要になった時は、マイヤー・ロンブルグ家は、万難を排して協力する」との約束を交わす。

ゴードインの死去後、第六代国王に即位したジルベールであるが、兄ゴードインがゴルゴと交わした約束の履行を行っている。侍従長ディベッツが元空軍参謀長「ルフェーブル」暗殺を依頼したが、王室は逃亡ルートの確保と国外脱出を幇助したのである。

ヨーロッパの王室とゴルゴの接点が描かれる力作。ゴルゴ自身は脇役にとどまっているが、練りに練られた綿密なストーリー展開と全編を貫く緊迫感が素晴らしい。現金報酬を原則とするゴルゴが、ダイヤモンドで依頼を受けるというのも極めてレアである。浮世離れしたゴードイン・ディベッツとゴルゴのかみ合わない会話がなんとも可笑しいが、このずれた緊張感が一つの見せ場となっている

ズキューン

ゴルゴ13 (114)巻掲載
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ゴルゴサウルスさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2012-03-11 12:59:30
ゴルゴサウルスさん、こんにちは。
>良心の呵責から懺悔を重ねるのでしょう
聖職者に限らず、人を死に至らしめた場合、通常は非常に重い十字架を背負うことになります。十字架とは法律による裁きだけでなく、精神的な重圧・葛藤・後悔といったものです。後者のような感情を感じられない者が、人を殺めるのかもしれませんが・・・
返信する
讃美歌13番さん,こちらこそお見限りですみません。 (ゴルゴサウルス)
2012-02-08 15:21:02
讃美歌13番さん,こちらこそお見限りですみません。

>聖職者としての正義に基づいた事案
確かに動機としては,もはや合法的に解決する道は断たれた,ゴルゴによる標的の抹殺によってより多くの悲劇を防止するより他無いという決意からのものが多数ですね。
しかしそれでも目的達成後に(生きていれば)良心の呵責から懺悔を重ねるのでしょう。
返信する
ゴルゴサウルスさん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2012-01-30 00:00:40
ゴルゴサウルスさん、こんばんは。
お返事が大変遅くなりまして申し訳ありません。
>聖職者自体が多数ゴルゴへの殺人依頼を行っていますし,協力者もいます
ゴルゴへの依頼は、聖職者としての正義に基づいた事案が多いですが、生と死と、聖と俗と、聖職者もやはり人間、様々な葛藤と煩悩が混在しているのでしょうね。ゴルゴに葛藤と煩悩はないのでしょうか・・・
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讃美歌13番さん,こんにちは。 (ゴルゴサウルス)
2011-12-14 11:47:49
讃美歌13番さん,こんにちは。
最近改めて読んでみて,現在のベルギー政界の混迷状況を予見しているような内容に驚愕させられました。まさか1995年のこの時点で……

ゴルゴへ依頼を行うためにあえて破門された国王ですが,そもそもカトリックの聖職者自体が多数ゴルゴへの殺人依頼を行っていますし,協力者もいます(バチカン自体が世話になった事も)。
法王も人を破門できた義理ではないのでは。

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ペロさん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2008-03-23 23:13:58
ペロさん、こんばんは。
温かいお言葉ありがとうございます。一向に仕事が楽になる気配がありません。週末は休みを取ってゴルゴ研究に時間を使いたいのですが、最近は土日で連休したことがありません(爆)
返信する
賛美歌13番さんこんにちわ。 (ペロ)
2008-03-22 14:49:54
賛美歌13番さんこんにちわ。
>現金報酬を原則とするゴルゴ
今回は、誠意に答えた依頼受諾でしょうね。しかし、スペイン王室から送られたものを渡してしまってよかったのでしょうか?式典などで必要になったら・・・(汗)
PS:賛美歌13番さんは、まだまだお忙しいのでしょうか?お体を大事に・・・

本日の一句「かみ合わぬ、会話とかみ合う、ストーリー」
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