■白い皇軍(第361話) 発表1994年9月
評価 ★★★★
依頼人 モーガン家当主
ターゲット 武器商人アレクセイ・スミルノフ(ユーリ・ナゴーレン)
報酬 不明
今回弾丸発射数 1/ 通算弾丸発射数 2,021
今回殺害人数 2/ 通算殺害人数 4,173
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 100
<ストーリー>
元防衛庁幕僚長狙撃事件、元大学教授の焼死事件には旧満州での「白い皇軍」という接点があった。ゴルゴの狙いは・・・
<この一言>
スミルノフを消せば・・・あんたの商売にも差し障りがあるだろう・・・?
<解説>
元防衛庁幕僚長「芦沢」が遠距離狙撃により殺害された。函館では元大学教授「高木」が謎の焼死を遂げる。事件を調査する警視庁公安部「田島」は、旧満州における「白い皇軍」の存在に辿り着く。帝政ロシア崩壊後、中国へと逃れたロシア人たちが満州で外人部隊を結成、日本軍の傘下に収まっていた。ロシア人部隊を率いる「ナゴーレン」は日本軍からの信頼も厚かったが、ソ連軍が満州に侵攻した前日に姿を消した。ナゴーレンはソ連のスパイであり、まんまと日本軍とロシア人部隊を手玉にとったのである。
ソ連に戻ったナゴーレンは、しかしスターリンの粛清にあい、日本へと逃れる。スミルノフと名前を変えたナゴーレンは、満州で内通していた芦沢を利用して武器の売買を始め、世界的武器商人の地位を築く。その地位は安泰かと思われたが、芦沢・高木の死を知ったナゴーレンは自らの命を狙う者の存在を察知、軍需産業を牛耳るモーガンに警護を依頼する。
ナゴーレンの命を狙っていたのは、元西ドイツ特殊部隊の「カール・ホッファ」。ホッファはナゴーレンの息子であるが、ナゴーレンの裏切りにより母親が不遇の死を遂げたことを知ったホッファは、復讐のため実父の殺害を決意したのであった。しかし、ホッファはナゴーレンの面前で警護スタッフの弾丸を受ける。その刹那、ゴルゴが登場。ホッファより剣を受け取ったゴルゴは、ナゴーレンを葬り去る。ゴルゴは、ナゴーレンの驕った態度を許せずにいたモーガンからナゴーレンの殺害依頼を受けていたのであった。
「錯綜する過去と現在」「交錯する依頼関係」「交差する登場人物」と複雑な展開を見せる本作。ストーリー展開が絶妙で非常に読み応えがある。49歳と推定されるホッファが実に魅力的だ。その戦闘能力、ストイックな性格、内に秘めた熱情、いずれもがホッファの人間としての深みを感じさせる。ホッファの戦闘シーンが圧倒的な迫力で描かれており、読者を魅了する。残念ながらゴルゴの前で命を失ってしまうホッファだが、ゴルゴがホッファの遺志をくんだことで、彼の死が無駄にならなかったことに安堵を覚える。
ズキューン
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>なかにはルーツ編の「影」が見え隠れする作品が幾つかあります!
深い洞察ですね。確かに「影」を結びつけていくと、ゴルゴのルーツに帰結する、というのはいかにもありそうです。
>力量のある脚本担当に、改めてルーツ編として完成させてあげたいと思うのは、私だけでしょうか?(笑)
読みたいですね~その際は、脚本協力「マリヨ神父」さんで是非。
>9月発売の第162巻収録の『ノモンハンの隠蔽』なども、その一つですが、本エピソードも、ルーツ編の「影」がプンプン匂います!!(笑)
楽しみです。162巻が発売になるまでに161巻までの各話をUPしたいところですが・・・がんばります
ゴルゴシリーズの各エピソードを子細に読んでみると、なかにはルーツ編の「影」が見え隠れする作品が幾つかあります!
9月発売の第162巻収録の『ノモンハンの隠蔽』なども、その一つですが、本エピソードも、ルーツ編の「影」がプンプン匂います!!(笑)
この作品には、二つのルーツ編の「影」が見え隠れしています。
一つは私が『モスクワ人形』のところでコメント創作した、ゴルゴ日独混血説のその後半部分のあらすじ…辛くも生きのびた東郷駿介は、戦後の西独特殊部隊GSG-9のNO1となっていた!一方、生き別れた東郷少佐の方は、戦後の日本の黒幕の一人になっていた…と云うルーツ編と、もう一つの本エピソードのスミルノフと白系ロシア人マリアとの間に生まれたホッファの出生にまつわるエピソードが合体して生まれた作品なのではないかと踏んでいます!!
それぞれ独立させて、力量のある脚本担当に、改めてルーツ編として完成させてあげたいと思うのは、私だけでしょうか?(笑)
本日の一句、楽しみにしてますよ。
くすくす、と笑いを誘うセンスがイイです。
ナゴーレンを始末する時、ホッファの剣を使う辺りが良いですね。「後は俺に任せろ!」という思いが伝わってくるようです。
本日の一句「本日の、一句はそろそろ、やめるべき?」なんですかね?賛美歌13番?