ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第15巻-1モスクワ人形

2006-11-05 17:25:36 | 第011巻~第015巻

■モスクワ人形(第64話) 発表1972年11月

評価    ★★★★

依頼人   CIA

ターゲット KGB工作員殺害

報酬    不明

今回弾丸発射数      5/ 通算弾丸発射数 357

今回殺害人数       10/ 通算殺害人数   332

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数  38

<ストーリー>
KGBスパイ養成所で破壊工作を働くゴルゴ。同じ養成所で訓練を受け任地に赴くミーナ。ゴルゴの存在に気づいたミーナの運命は・・・

<この一言>
尾行途中で弾倉を調べるようなマネはしないことだ・・・

<解説>
KGBに嵌められ、スパイ養成所で訓練を受けるミーナ・ソロコフ。彼女のミッションはアメリカ国防省勤務の女性になりすますことであった。そんな折、スパイ養成所に新任工作員ボリス・スタシンスキーが到着する。スタシンスキー到着後、工作員が次々と死亡・負傷する。その数、首吊り自殺1名、手榴弾事故による死亡者4名・負傷者7名。また、スタシンスキーが同乗していた車からはスタシンスキー含む4名の射殺死体が発見される。そう、着任した新任工作員はスタシンスキーに扮したゴルゴだったのだ。ゴルゴの破壊活動によりKGBは死者9名重軽傷7名の被害を受け、KGBの画策していたカンボジアでの”プロジェクト・HAWKS”は頓挫する。
ゴルゴが射殺ではなく破壊活動を行うのは珍しい。自殺に見せかけた殺害や手榴弾への工作といったスパイさながらの行動をスパイ総本山ともいえるKGB施設で披露しているところが痛快だ。
一方のミーナの悲劇的な人生はどうだろう。KGBに嵌められ、雇われていた店長に屈辱を受け、あげく任務遂行の為ゴルゴに殺されてしまう。国家・社会・組織に翻弄されるミーナと、フリーランスで活動し自己の信条を貫くゴルゴの対比が痛々しい。

本作でKGBの推定するゴルゴ像が明らかになっている。身長180cm体重80kgはCIAと同様の見解。興味深いのはCIAがゴルゴを 「日本人もしくは日系混血」 としている一方、KGBはもう一歩踏み込んで「日本人もしくは日独混血」としている点だ。

ズキューン

ゴルゴ13 (15) 巻掲載
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15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この話から何か北朝鮮が頭に浮かびます。 (M16)
2006-11-06 17:33:52
この話から何か北朝鮮が頭に浮かびます。
それにしても、ミーナがかわいそうです。
ゴルゴとは違う形で出会っていたらと思わずにはいられません。
返信する
M16さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2006-11-06 23:48:20
M16さん、こんばんは。
>この話から何か北朝鮮が頭に浮かびます。
作品発表が70年代前半ということもあり、このところアメリカVSソ連という冷戦を描いた作品が多いな、と感じてました。言わば「違う時代」の「対岸の火事」といった印象でした。M16さんにコメントをいただいて、なるほど北朝鮮は「違う時代」を引きずった「近隣の火事」なのだな、と認識を新たにしました。
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ロシア語の (カムバッカー)
2008-11-20 14:04:22
ロシア語の

「ダー」(はい)
「ニエート」(いいえ)

を覚えたのがこの話でした。

よく拒否権を発動した旧ソ連のグロムイコ外相が「ミスター・ニエート」といわれた意味が分かったのがこの話のおかげです。

スパイを一人育成するのに、凄い手間がかかっているんだなと思った作品です。

KGB評価の「武器の認識及び使用技術」3がゴルゴ相手では命取りになったのですかね。
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カムバッカーさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2008-11-22 11:50:54
カムバッカーさん、こんにちは。
>スパイを一人育成するのに、凄い手間がかかっている
そうなんですよね。日本にスパイ活動を専門とする諜報機関はない、というのが公式見解ですが、例えば作家『麻生幾』の描く公安警察小説を読むと、このような組織運営には想像を絶するコストと時間が投下されているのだな、と思います。
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賛美歌13番さんこんばんわ。ここんとこ、「キム... (マリヨ神父)
2011-02-08 00:04:47
賛美歌13番さんこんばんわ。ここんとこ、「キム」「ありがとう」のキーワードで立て続けにアーリーゴルゴを読み返しているマリヨ神父です(笑)
カムバッカーさんのコメントで思い出しましたが、私もゴルゴシリーズで「スパシーボ(すばらしい)」「ダスビダーニャ(さようなら)」「ガスパージン(ミスター)」などのロシア語を覚え、30年後にロシアンパブで役に立つとは夢にも思いませんでした(笑)
そう言えば、やはりゴルゴシリーズの中で覚えた「K・K・K」の正式名称「クー・クラックス・クラン」が模試に出て正解率0.3%を解答したのを覚えています。
それにしてもミーナを陵辱したグーセンコは許せませんね!処女を奪うのに後背位とは(笑)
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マリヨ神父さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-02-12 21:58:29
マリヨ神父さん、こんばんは。
ゴルゴ・シリーズで学んだ知識が役立つことって結構ありますよね。さすがに飛行機事故に遭遇して生き残るとか、砂漠や南極でサバイバルするとかはムリですが・・・
返信する
はじめまして。 (HARA-P)
2011-07-01 10:48:35
はじめまして。

以前から疑問に思っていたことがあります。
それは、KGBとグーゼンコ店長の関係です。

私は最初、ミーナがグーゼンコ店長にレイプされた直後にKGBに拘束される描写が
あることから、実はKGBとグーゼンコ店長は「グル」で、ミーナを諜報活動に利用したい
KGBが、ミーナを拘束する口実を作るためにグーゼンコ店長にレイプの指示をしたのだと
理解していました。

しかしその後、グーゼンコ店長がミーナに対して、「おまえのおかげで俺は店長の座を
追われた」と罵っていたり、ミーナを尾行していたKGB局員がグーゼンコ店長のことを、
「立場を利用してミーナを犯した」と発言していたりしています。

このことから、KGBとグーゼンコ店長は「グル」ではなかったようにもとれますが、
それにしては、ミーナが12ルーブルを横領してからKGBに拘束されるまでがあまりに
早すぎる気がしますし、そもそもグーゼンコ店長が通報をしない限り、KGBがミーナの
横領の事実を知るすべはないように思えます。

KGBとグーゼンコ店長は「グル」だったのか?
KGBは、どうやってミーナの横領の事実を知ったのか?
KGBは、最初っから諜報活動に協力させるためにミーナを拘束したのか?
それとも横領事件としての拘束が先で、諜報活動へ協力させる案は後から出てきたのか?

…考えるとわけがわからなくなります。
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HARA-Pさん、はじめまして。コメントありがとうご... (賛美歌13番)
2011-07-03 14:12:08
HARA-Pさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
私の見立ては、次の通りです。
①KGBはミーナを諜報活動に引きずり込むべく、店長にミーナ-が横領するようの状況を作らせた。
②KGBは横領が発覚したら直ちに店長に通報するよう依頼したが、ミーナの体を弄んでいいとは言わなかった。
③個人的な欲望に負けた店長は、KGBから断罪された。
この作品の一番のセリフは『この罰あたりの体が!』です。何度読んでも面白い(笑)
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賛美歌13番さん、お返事ありがとうございました。 (HARA-P)
2011-07-03 16:49:23
賛美歌13番さん、お返事ありがとうございました。

つまり「横領させるように仕向けたのはKGBの指示だったが、レイプに及んだのは
グーゼンコ店長個人の暴走だった」という解釈ですね?そう考えると確かに矛盾が
一気に解消されますね。さすがに素晴らしいですね!

これからも宜しくお願い致します。
返信する
HARA-Pさん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-07-08 23:13:08
HARA-Pさん、こんばんは。
>これからも宜しくお願い致します。

こちらこそ、よろしくお願いいたします。
コメントをお返しするのが週末になってしまいますが、ご容赦ください。
返信する

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