ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第29巻-3スキャンダルの未払い金

2006-12-18 00:35:44 | 第026巻~第030巻

■スキャンダルの未払い金(第107話) 発表1976年2月

評価     ★★★

依頼人    西ドイツ 重鎮政治家「閣下」

ターゲット  ホルスト・マンハイム

報酬     手付$30,000+残金$270,000

今回弾丸発射数     10/ 通算弾丸発射数 748

今回殺害人数        6/ 通算殺害人数   659

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数  60

<ストーリー>
西ドイツでは次期配備戦闘機の選定にあたり、政治家が利権を巡り暗闘を繰り広げていた。「閣下」は政敵「マンハイム」をスキャンダラスな方法で葬り去ろうとゴルゴに接触する・・・

<この一言>
思いつきだけで行動するのは・・・愚か者のすることだ・・・それを・・・得意気に話すのは、もっと愚か者のすることだ・・・

<もう一言>
”感情”と”規律”は本質的に違うものだ・・・

<さらに一言>
まわりくどい老人の話に、おれは興味がない・・・

<解説>
西ドイツの次期戦闘機選定を巡り、利権目当てに政治家達が暗闘する。「閣下」は政敵「マンハイム」を義理の娘との性交渉中に殺害することをゴルゴに依頼する。下降中のヘリコプターからシャンデリアを打ち落とすという難易度の高い狙撃を決めるゴルゴ。閣下はマンハイム殺害後にゴルゴの殺害を部下に指示していたが、最終的にゴルゴに仕留められる。死の直前、ゴルゴに対する裏切りをカネで解決しようとし、27万ドルをゴルゴの口座に振り込む。ゴルゴは「”感情”と”規律”は本質的に違うものだ・・・」と、欲ではなく己のルールに従うことを示す。

本作の発表は、ロッキード事件が明るみに出た1976年2月。本作は戦闘機、ロッキード事件は民間旅客機との違いがあるが、航空機を巡る汚職に共通点がある。発表時期から察するに、ロッキード事件が明らかになる前に航空機汚職を題材に選んだと想定される。ゴルゴの題材は社会問題や政治問題を先取りすることが多いが、本作はその最たるものであろう。

ズキューン

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15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
賛美歌13番さん始めまして (メシウマ)
2009-10-16 06:12:38
賛美歌13番さん始めまして
この話を読んで思ったのですがゴルゴはなぜ依頼人をすぐに殺さなかったのでしょうか?
結果ゴルゴの口座に本来の謝礼にプラスして10万ドル振り込まれたわけですから得したわけですが……
もしかするとゴルゴは依頼人がお金で解決しようとするだろうからお金をもらった後に殺した方が儲かると考えたのでしょうか?
でもそんなお金にこだわるゴルゴはちょっと嫌な感じですが(;^_^A
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メシウマさん、はじめまして。コメントありがとう... (賛美歌13番)
2009-10-18 00:40:01
メシウマさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
>なぜ依頼人をすぐに殺さなかったのでしょうか?
本作でのゴルゴは、他人の話を良く聞いていますね。長話には付き合わないゴルゴにしては珍しいことです。
お金に拘りのないゴルゴのこと、金額をつりあげる意図はなかったのでしょうけど、成功報酬を好まないゴルゴにしては珍しいケースですね。
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はじめまして。 (たぱ)
2009-12-20 23:32:56
はじめまして。
ゴルゴ13はまだ全部読んでないのですが、ネット検索で「ゴルゴといえども、同時に二つのことはできない」という話がある、ということは知っていました。
「へえ?ゴルゴはどうしたんだろう?」とワクワクしていましたが、古本屋で見つけて読んだときはがっかりしました。敵が間抜けすぎる(T_T)。もしかしたら、ゴルゴの敵の間抜け度ランキング上位。
私は、メシウマさんと別に、何故、この二人組みは、ゴルゴの背中に銃を向けるという絶好のチャンスをものにしていながら、引き金を引かなかったのか?が疑問です。別に「ゴルゴ13を生け捕りにしろ」と言われていたわけではなく、処分しろと言われてたわけですから、ここで引き金を引かなければなりません。
ゴルゴの言う「もっと愚か」な人間だったわけですが。ゴルゴは「思いつきだけで行動するのは・・・愚か者のすることだ」とも言ってますので、ここで引き金を引いた場合も想定しているはずです(背後の人間を殴ったために、実際に何度も不利になっているので、考えているはず)。
ここで引き金を引いた場合、ゴルゴはどうしたのでしょうか?
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たぱさん、はじめまして。 (賛美歌13番)
2009-12-27 00:28:28
たぱさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。レスが遅くなりまして、申し訳ありません。
ゴルゴが背中を向けているときに引き金を引いていたら、どうしていたか?という質問ですが、ゴルゴはよけたのでしょうね(笑)。
きっと、車の硝子やドアに写っている姿を確認していて、変な動きをしたら回避していたのでしょう。
背後に忍び込まれ、条件反射でなぐってしまいスキを見せた直後こそ、ゴルゴを仕留めるチャンスだったのですが、この時に狙いを定めても、ゴルゴはきっと手下を楯にして危機を回避したのではないでしょうか。とはいえ、本作もそうですが、古い作品ではゴルゴも、結構スキをみせていますね~若さゆえでしょうか(笑)
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レスありがとうございます。 (たぱ)
2010-01-02 22:22:43
レスありがとうございます。
確か、ゴルゴ13は後ろから拳銃を向けられたときの音を冷静に横目顔で確認したコマがあったと記憶してますので、たぶん、どちらにしろこの程度では倒せないでしょうね。
それにしても、FBI捜査官がわざと後ろにまわってゴルゴに殴らせて「公務執行妨害と傷害現行犯、逮捕!」という話も読んだ記憶があります。後ろの人間を殴る癖は、ゴルゴにとって、あまり役に立ってないようですね・・・。
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たぱさん、レスありがとうございます。 (賛美歌13番)
2010-01-09 19:59:48
たぱさん、レスありがとうございます。
>後ろの人間を殴る癖は、ゴルゴにとって、あまり役に立ってないようですね・・・。
はた迷惑な癖で、ゴルゴ本人にも役にたっていないとあっては、治した方がいいかもしれませんね(笑)
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長々と外浦吾郎=船戸与一の分析をして来ましたが... (マリヨ神父)
2011-02-12 02:30:26
長々と外浦吾郎=船戸与一の分析をして来ましたが、このエピソードで最後にします。
このエピソードでも女性の陵辱場面が出て来ます。しかも一服盛られたとはいえ、義父が息子の嫁を犯すシーンです!
私が思うに外浦吾郎はストーリー構築をする際にまずこのシーンが頭に浮かんで、ストーリー全体は全てこのシーンからの後付けなのではないでしょうか?
この後の彼が脚本担当のエピソード『タラントゥーラ=舞踏蜘蛛』では生贄の処女の陰部を杖の丸い根元で突く場面がありますが、これも陰部を突くシーンが最初に頭に浮かんだので、後付けとしてのストーリー全体があんな三文ホラーのようになってしまったのではないかと思います?!そう考えれば『氷結海峡』でのゴルゴの所業も、ターゲットの恋人を陵辱した様子をテープで聞かせるというシーンが最初に頭に浮かんだからだと思います!
そして彼の脚本担当のエピソードには性格異常者が多いと思います!大体このエピソードに出てくる依頼人の「閣下」の不遜な態度、今のゴルゴだったら『錆びた黄金』の時のように「もういい。お前は俺の依頼人になるには不適格だ…」と言って話を遮って帰ってしまいますよ(笑)
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マリヨ神父さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-02-12 23:10:28
マリヨ神父さん、こんばんは。
>ストーリー構築をする際にまずこのシーンが頭に浮かんで、ストーリー全体は全てこのシーンからの後付け
同感です。が、ゴルゴはそんな行為を本作で諫めていますね(笑)
『思いつきだけで行動するのは・・・愚か者のすることだ』

外浦吾郎=船戸与一の異常性癖が気になります(笑)ここまでくると、変態度(変態割合?)高すぎじゃないですか(笑)脚本家分析、非常に面白いテーマなので、きちんと取り組んでみたいです。
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山崎豊子の小説の (カイ)
2011-07-13 12:00:03
山崎豊子の小説の
『不毛地帯』の二部目の中でも、次期主力戦闘機選定をめぐる黒いやり取りがあります。
返信する
山崎豊子の小説 (カイ)
2011-07-13 12:02:20
山崎豊子の小説
『不毛地帯』の二部目の中でも、次期主力戦闘機選定をめぐる黒いやり取りがあります。

この作品もロッキード事件が明るみになる前に件の部分が発表されました。
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