■死者の唄(第104話) 発表1976年12月
評価 ★★
依頼人 スペイン国粋同志党
ターゲット 要人暗殺犯
報酬 不明
今回弾丸発射数 2/ 通算弾丸発射数 722
今回殺害人数 2/ 通算殺害人数 635
今回まぐわい回数 1/ 通算まぐわい回数 58
<ストーリー>
スペイン国粋同志党の要人が次々と殺される。要人暗殺犯を探し出し殺害してほしいとの依頼を受けたゴルゴは、暗殺犯をおびき出すべくパーティを開く・・・
<この一言>
こいつはプロじゃあない・・・プロは月光を背にしたりはしないものだ・・・
<解説>
スペイン国粋同志党の局長とマリアは、同党の要人が次々と暗殺されたのを受け、ゴルゴに暗殺犯の殺害を依頼する。暗殺犯をおびき出すために囮のパーティを開催するが、真の暗殺犯は現れない。要人暗殺の現場に居合わせたマリアの父はギターを手に歌う流しのフラメンコ歌手。ゴルゴはギターの音の乱れを聞き逃さず、マリアの父が犯人と断定。マリアの面前で父を殺害する。
フラメンコギターの名手であるマリアの父をして、「いい耳だ。いいギター弾きになれるのに」と言わしめたゴルゴの音感。楽器演奏の腕前はどうなのだろう?
余談だが、マリアの父の歌う『♪女を恨んじゃいけねえぜ♪』という歌詞、なかなか奥深い・・・
ズキューン
<script type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript" src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js"> </script> <script src="http://www.google-analytics.com/urchin.js" type="text/javascript"> </script> <script type="text/javascript"> _uacct = "UA-792331-1"; urchinTracker(); </script>
外浦氏について思うところあり真っ昼間からコメントさせていただきます。
本作が外浦氏の脚本としては最初の作品ですが、発表は1976年…私は氏の作品に「サム・ペキンパー」の監督した映画が何らかの影響をもたらしている気がします。
『ワイルドバンチ』『ガルシアの首』『わらの犬』あたりの1970年代前半~中盤のペキンパー作品にみられる゛男の世界゛とよべる男性登場人物の生き様と死に様…その一方で女性の登場人物は(『ガルシアの首』以外では)ドラマの深くに食い込むことはあまり無く、あくまで゛男の世界゛の引き立てでしかないように思えます。
当時の外浦氏はゴルゴ13というフィルターを通して、ペキンパーのような硬派な゛男の世界゛を表現したかったのかも?あくまで私の勝手な推測ですが……。
そして余談ですが……私はゴルゴ13のモデルとなった映画として『ジャッカルの日』がそうに違いないとふんでいたんですが………原作が世に出たのが1973年………ゴルゴ13の方が先輩でした!!コメントするためにWikipediaで調べる度に私のゴルゴ13論が崩壊していきます………(滝汗)。
パトリック三平さん、私を呼びました?(笑)
外浦吾郎=船戸与一=豊浦志朗=原田健司(本名)が持つレゾンディテール(存在理由)としては、国家に虐げられた反体制派への共感と云うものが、彼の思考の底流に流れています!
本エピソードのマリアの父親は、恐らくスペイン内乱の際の自由共和国軍に参加したアナーキストなのでしょう。他にも『アサシン暗殺教団』のアサシン団、『三匹の女豹』のアスピダなどあまりにも国粋派がために、国家から虐げられている集団の「影」が外浦吾郎脚本物にはまとわりつきます。
脚本担当者として、彼らへの感情移入が強かった分、「ゴルゴ」と云うフィルターを通すと作品としてはいびつなものに仕上がってしまったというのが実状なのではないでしょうか?
話は変わりますが、ゴルゴの元ネタは、やはり「007シリーズ」でしょう!!(笑)
マダーライセンスを持つジェームズ・ボンドに対抗してゴルゴは創出されたと思いますよ!(笑)
お二人の外浦吾郎=船戸与一分析に感服いたしました。船戸与一の作品で読んだことがあるのが『三都物語』のみ、積ん読が数冊ですので、彼の志向を理解するには至っていません。
ゴルゴのルーツ、『ジャッカルの日』、『007』、なるほどと膝を打ちました。お二人がおっしゃるのと共通しますが、ハードボイルドの影響があると考えています。ゴルゴほどのタフガイはいませんからね・・・