■静かなる草原(第464話) 発表2001年4月
評価 ★★★★★
依頼人 ―
ターゲット ―
報酬 ―
今回弾丸発射数 5/ 通算弾丸発射数 2,533
今回殺害人数 5/ 通算殺害人数 4,854
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 113
<ストーリー>
アメリカ・ウィスコンシン州マディソン郡て秘密トレーニングに励むゴルゴ。しかし、傭兵部隊がゴルゴを襲う。現場に居合わせたジャーナリスト「マンディ・ワシントン」は・・・
<この一言>
・・・
<解説>
ゴルゴの過去に興味を持ち、出生の秘密に肉薄したジャーナリスト『マンディ・ワシントン』は、引退を決意しマディソン郡に居を構えた。ワシントンはある日、野生動物の生態を研究しているという男と出会う。男が夜間の動物の生態を撮影するために録画したテープを見せてもらうと、そこにはトレーニング中のゴルゴが写っていた。ワシントンが居を構えるすぐ近くにゴルゴの秘密別荘があるらしい。あまりの因縁におののくワシントン・・・。
近くの牧場でワシントンは少年『カイン』と出会う。カインは、けがをした老馬を無二の親友として手厚くケアをしていた。そのカインの父親が経営するガソリンスタンドにゴルゴがやってきた。予期せぬゴルゴとの遭遇に思わず身を潜めるワシントン。その刹那、5人の武装兵士がゴルゴに向かって銃を乱射する。カインの愛馬を奪って森へ逃走するゴルゴを、武装兵士はバイクで追いかける。後にカイン、ワシントン、警官が見たのは、武装兵士とカインの愛馬の死体であった。
カインの愛馬は眉間を射抜かれ、肉の一部がはぎ取られていた。あまりのむごたらしさにカインは”あの男を許さない”と絶叫する。直後、牧場主の口座に200万ドルの振込があり、カインにはハンター種の名馬が送られてきた。ワシントンは、ゴルゴが迷惑料として200万ドルを振り込み、名馬を送ったのだと確信する。
ゴルゴの義理堅さと殺生に対する哲学が見事に表現された短編。ページ数は少ないものの、読後には深い感動に包まれる。語り部として『マンディ・ワシントン』を起用しているのも絶妙。暗闇でトレーニング中のゴルゴが、卵を踏まないように避けたが、これを見たワシントンは、ゴルゴの殺生に対する哲学を洞察している。曰く、
『修羅場に身を置いたONの瞬間には一切の感情を捨て去る反面、OFFの時にはあらゆる生命の去就に関わらないというルールが無意識裡にある』
ワシントンは、
第14巻-1『日本人・東研作』
第21巻-1『統計解析射撃』
第43巻-1『ミステリーの女王』
第51巻-1『毛沢東の遺言』
に登場、本作で5回目の登場だ。静かな余生を送れるといいのだが・・・。
>一人老いることなく今日も裏の世界を生きるゴルゴ13の姿が何とも不思議な構図です・・・
(笑)たしかに、ワシントンもデイブも年輪を重ねています。”老いることのない”ゴルゴ、やはりただ者ではないですね。
>OFFの時には~無意識裡にある
人間が自然に関わる時に肝に銘じるべきことですね。昨今の動植物保護運動では、必要以上に手を加えがちですが、あくまで人間が影響を与えた分の回復(現状回復)にとどめるべきではないでしょうか。過ぎたるは及ばざるがごとし
細かい事ですが、ゴルゴの振り込んだ200万ドルによって、カインの父親の牧場は持ち直した様ですが、ガソリンスタンドの方の損害は補填したのでしょうか?(損保にはいっていたとか?)
本日の一句「ゴルゴンの、プライベートを、解き明かし~」
>ガソリンスタンドの方の損害は補填したのでしょうか?
ナイス着眼点(笑)ですね~。
爆発がありましたから、現状回復が難しいほどの損害と思われます。保険が適用されればいいのですが・・・
個人的にはゴルゴと2回も遭遇した梶本さんとの対談が見たいですね。
梶本「あの人のせいで2回もスクープを取り損ねて・・・」
ワシントン「それじゃ君もこれからスクープどころじゃないものを見ることになるよ」
なんてやりとりがありそうですね。
それではまた(^O^)/~
ワシントンと梶本の”世界的ジャーナリスト”対談、見たいですね。
カムバッカーさんの発想に思わず笑ってしまいました。
え?梶本はダメ記者?ボケ・キャラですが、彼は大物ですよ。将来のピューリッツアー賞、間違いなし。
>「ビゲン・白髪染め」
おお!そういえばゴルゴは黒髪で、白髪のイメージがありませんね。また、ハゲの心配もなさそうです。やはり、最強の遺伝子を持っているのでしょうね・・・
脚本家別の登場人物データベースを作成し、どんな変遷・傾向があるか調べてみたくなりました。文庫本購入は必須ですね!