■饒舌なコイン(第456話) 発表2001年2月
評価 ★★★
依頼人 ロシア原子力大臣 レフ・セドフ
ターゲット 核燃料コンビーナート内長官執務室に掲げられた5円玉
報酬 不明
今回弾丸発射数 1/ 通算弾丸発射数 2,492
今回殺害人数 0/ 通算殺害人数 4,742
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 112
<ストーリー>
核燃料廃棄物の事故隠蔽を機に、ロシア原子力省内で権力闘争が勃発。原子力推進と情報公開は併存できるのか・・・
<この一言>
今度の注文はそれほど無理な注文ではないだろう・・・
<もう一言>
さあな・・・
<解説>
ロシアのチェリャビンスク核燃料コンビナートで核燃料廃棄物の臨界事故が発生。コンビナート長官『ツポレフ』は、事故の隠蔽を図り、証拠を抹消すべく指示を出す。ツポレフから指示を受けた『ウラジミロビッチ』は、臨界事故によって発生する青白い光を撮影した日本人ジャーナリストを殺害、フイルムも没収し全てを闇に葬ったかに思われた。が、日本人ジャーナリストが身につけていた五円玉が被爆により放射能を帯びていることが判明する。日本人ジャーナリストからロシア人少女にプレゼントされた五円玉を奪還したウラジミロビッチであるが、ツポレフの上司にあたるロシア原子力大臣『レフ・セドフ』が、臨界事故を嗅ぎつけたことを知る。
臨界事故の件が公になればセドフ大臣の地位も危うくなるとの見立てで、ツポレフは放射能を帯びた五円玉を”人質”にとり、セドフ大臣を脅迫する。セドフ大臣はゴルゴに接触、コンビナート内の長官室に掲げられた五円玉の破壊を依頼する。コンビナートは厳重な警備に守られており、さらに長官室は死角ともいえる位置し、狙撃ポイントが限定されるという。
ゴルゴは腕利きのヘリコプター・パイロットを雇い、コンビナート基地内を時速200キロで飛行する。夜間飛行にも関わらず、スコープを使わずに”ある一点”を狙い狙撃したゴルゴ。移動するヘリコプターから放たれた弾丸は、ゴルゴの計算通り”慣性の法則”によって死角に位置する五円玉を撃破する。
原子力推進と情報公開をテーマにした作品。原子力に関わる日本の隠蔽体質を、ロシアに置き換えて鋭く批判している。移動するヘリコプターから”慣性の法則”を用いて死角を狙撃するというウルトラC級の狙撃だが、教科書のように慣性の法則を説明するコマが印象的である。第137巻-3『シンクロトロンBESSY-1』でも、入射角と反射角が等しいことを図示して”跳弾狙撃”を説明していたが、このころの制作チームに物理好きのメンバーがいたのだろうか?
ヘリコプターのパイロットはゴルゴから何度か依頼を受けているようだ。年端もいかぬ青年だが、けっこう減らず口を叩いていてもゴルゴから指名を受けるとは、ゴルゴからの信頼が厚いのだろう。青年に向け饒舌に言葉を返しているあたり、ゴルゴはこの青年に親しみを感じているのかもしれない。
>隠蔽体質をロシアに置き換えて・・・
起こったこと事体をなかったことにする・都合の良いことだけを公開する。ソ連がロシアと呼ばれる様になって久しいですが、まだまだソ連体質は残っているのでしょうか?
PS:私の前に1件コメントがありまして、「また先を越されたのか!?」と思いました。
本日の一句「コメントに、命を懸ける、ゴルゴ好き」
本当の一句「ゴルゴンは、高性能な、速度計?」
>PS:私の前に1件コメントがありまして、「また先を越されたのか!?」と思いました。
↑(笑)いつもコメントありがとうございます。
ペロさんのコメント、楽しみなんです。
>本日の一句「コメントに、命を懸ける、ゴルゴ好き」
↑大笑い。
脚本家の作風ってやはりあるのですね。傾向が分ると、読み方にも幅がでてきそうです。さて、これからブック○フに行ってこようかな(笑)
「日本の原子力の事故や対策に関する情報公開は、ロシアにすら劣る」
というセリフを読んで、福島原発の事故が浮かびました。
色々な意味で恐ろしいですね。
コメントありがとうございます。
>福島原発の事故が浮かびました。
>色々な意味で恐ろしいですね。
情報が正確に伝えられているのか、正確に伝えられているにしても安全性の基準をどこに置けばいいのか、全く分りません。本当に怖いです・・・
また、某週刊誌によれば、
東電と霞が関の官僚と大手新聞社の政治部の記者たちは、互いに癒着しあってるそうです。
原子力政策や電力会社の裏が色々とでてきましたね。マスコミもその一端を担っているとなると、何を信じればいいのか分からなくなります。