■日・米コメ戦争 虎の尾を踏んだ男たち(第321話) 発表1991年1月
評価 ★★★★
依頼人 RMA(全米精米業者協会)理事長
ターゲット パプア・ニューギニア政府 開発大臣オットー・ベルガー
報酬 不明
今回弾丸発射数 6/ 通算弾丸発射数 1,760
今回殺害人数 1/ 通算殺害人数 3,911
今回まぐわい回数 0/ 通算まぐわい回数 95
<ストーリー>
パプア・ニューギニアに対するコメ作りのODA(政府開発援助)を巡り、政治家・企業の黒い欲望が蠢く。一方、コメ市場の開放を求めるアメリカは・・・
<この一言>
あんたらの望みは、工業、農業両面での、完全な世界支配・・・
<解説>
パプア・ニューギニアに対する巨額のODA(政府開発援助)が決定。日本の九州の広さに相当する40,000平方キロメールを灌漑し、農工業の拠点にするという壮大な計画で、パプアのコメ自給を促し、将来的にはコメの輸出を見込むものであった。
しかし、日本からのODAは日本企業が現地工事を受注し、資金が日本に還流する構図が定着、さらには受注企業の選定にあたり政治家に賄賂が流れ、政官財の利権の温床となっていた。また、ODAを受ける側も同様で、援助金の一部は政治家と官僚に流れ、現地住民の生活向上に結びついていないのが実態。パプア・ニューギニアで昔ながらの手法による農業を浸透させようとする「藤岡」と「浜林」は大規模な援助に反対、開発大臣「ベルガー」と結びついた富士通商「阿部」と対立する。日本国内では、富士通商と結びついた最大与党の幹事長「鬼島」と農村票田をバックボーンとする「相川」議員がODA利権を貪るべく暗躍していた。
日本がコメ市場を開放しないことにいらだちを募らせるアメリカは、ロビー団体であるRMA(全米精米業者協会)が日本への圧力を強める。市場を開放しない上、ODAを通じて発展途上国のコメ輸出を手助けする日本に業を煮やしたRMA理事長は、ODAを中止に追い込むべくゴルゴに開発大臣ベルガー殺害を依頼する。ゴルゴは現地に伝わる”ニオコマドの呪い”に見せかけてベルガーを殺害、大規模開発は中止となる。
ODAを巡るドス黒い欲望と利権を、生々しく描いた作品。金権政治の実態、ODAにまつわる負の側面、コメの自由化といった重いテーマを描き込んだ社会派作品である。最終コマで描かれる、選挙カーに乗って名前を連呼する旧態依然とした政治屋の日常がなんとも白々しい・・・
ズキューン
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近年は政治屋や馬鹿官僚の不正が報道されることもありますが、まだまだ懲りない連中が多いですね。
>選挙カーに乗って名前を連呼する
あれは何の意味があるのでしょうか。名前を聞いただけで、有権者が自分に投票してくれるとでも思っているのでしょうか?はっきり言って税金の無駄!
本日の一句「税金を、食べ過ぎメタボな、政治屋さん」
>政治屋
本日も総理大臣の突然の辞任というサプライズがありました。今回の辞任劇の真相と総裁選の内幕が、将来のゴルゴシリーズで明らかにされることを期待します。ゴルゴの銃弾の前に倒れるのは誰だ?依頼人はゴルゴ好きの麻○だったりして・・・
>ODAを巡る~社会派の作品である
こういう問題提起型のエピソードの脚本担当は勿論きむらはじめですねぇ。
以前、仕事先で知り合った方は海外青年協力隊で四半世紀も世界中で、井戸掘りの指導ばかりやっていた方でした。
彼が言うには、どんなに技術指導をしても、操作マニュアルが現地語で書かれている物がないと、(当たり前のように現地は文盲がかなり居るとのこと)もう最新技術の井戸はすぐに使えなくなってしまうそうです。それで最近では現地のレベルに合わせ、現地にある材料で作ることの出来る、敢えてローテクの「かずさ掘り」で井戸を掘るのを指導しているのだとか。エピソードの中で浜林や藤岡がやっていたようなやり方ですね。この「かずさ掘り」の海外での活躍、なんと息子の中学の教科書に載っていました!
きむらはじめ氏も社会派ですが、マリヨ神父さんもまた、社会派のいいお父さんなのですね!息子さんにゴルゴ研究の英才教育はなさっているのでしょうか?外浦吾郎のいいかげんさや、“オトナ向けのシーン”があるからもう少ししてからでしょうか・・・