ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第130巻-1黄金の犬

2009-02-06 00:26:38 | 第126巻~第130巻

■黄金の犬(第430話) 発表1999年2月

評価   ★★★★★

依頼人  ムハマッド

ターゲット ”アラブの星”リーダー・アシド

報酬    不明

今回弾丸発射数       8/ 通算弾丸発射数 2,357

今回殺害人数      5/ 通算殺害人数   4,643

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   108

<ストーリー>
遺伝子操作によりできあがった狂犬病の病原体が、テロリストに奪われた。犬を巡る攻防がゴルゴ、テロリスト、フランス特殊部隊の間で繰り広げられる・・・

<この一言>
あのままでいたら・・・頭を直撃されていたな・・・

<解説>
動物学者”オコーナー女史”は、遺伝子操作により凶暴な狂犬病の病原体を作り出してしまった。テロリスト集団”アラブの星”は、オコーナー女史と犬を強奪、病原体を用いたテロを画策し病原体研究のための資金をムハマッドに要求する。しかし、ムハマッドはアラブの星の急進的な行動に異を唱え、資金提供を拒否。アラブの星のリーダー”アシド”は、ムハマドの息子”ブハシ”を使者として資金交渉にあたらせるが、ブハシは犬を無断で連れ出したため、アラブの星メンバーに殺害されてしまう。ブハシの連れ出したゴールデンレトリバーは、フランス当局に保護される。

息子を殺されたムハマドは、ゴルゴにアシド殺害を依頼。しかし、アシドの所在は不明で唯一の手がかりは、現場に落ちていたゴールデンレトリバーの首輪のみ。オコーナー女史が匿われている場所にアシドがいると読んだゴルゴは、、レトリバーがオコーナー女史のもとに戻るであろうと推測し、レトリバーを逃す。

一芸に秀でた犬4匹を調達したゴルゴは、レトリバー追跡を開始。一方、フランス当局は、ゴルゴがオコーナー女史失踪に絡んでいるとの情報をつかみ、特殊部隊を編成しレトリバーとゴルゴを追う。犬たちを手厚くケアしながら川を渡り、雪山を越えるゴルゴ。やがて、レトリバーはオコーナー女史の匿われている”アラブの星”のアジトにたどり着く。ゴルゴはアシドを始末するとともに、オコーナー女史の依頼によりアジトごと爆破する。オコーナー女史救出に失敗したフランス特殊部隊は、標的をゴルゴに変更。犬と行動するゴルゴは犬が足手まといとなると考え、ゴルゴを追う。断崖絶壁に”待て”の姿勢で4匹の犬が待機していることを発見した特殊部隊であるが、ゴルゴの姿は見えない。絶壁からパラセイリングで飛び立ったゴルゴは、空中で犬笛を吹く。4匹の犬は、ゴルゴを追い絶壁から飛翔する。犬たちはゴルゴに”自殺”を命じられ、従ったのである・・・

”絆”とは何かを問う作品。一芸に秀でているが、雑種だったり扱いにくいという、いわば半端者の犬たちを、恭順させるゴルゴ。従わせるだけでなく、ゴルゴから愛情を注いでいることに注目したい。犬たちとの連帯感を形成したゴルゴは、やがて非情にも犬たちを自死に追いやる。ゴルゴは非情なのだろうか?犬の指命あるいは天命は主人に従うことと仮定すれば、ゴルゴを生かすために犬たちは最期までゴルゴに尽くし、最高の人生(犬生?)を全うしたとも考えられる。ゴルゴと犬たちの絆が強固であるが故、ラストシーンが際だつ。やりきれない切なさが涙を誘う、ゴルゴ史上最も哀しい作品。

ズキューン

ゴルゴ13 (130) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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