日本シニアオープン、4人の死闘

2012-10-28 18:27:18 | ゴルフウイークリー

東名古屋カントリークラブで行われていた

日本シニアオープンは、最終日、

ゴルフの醍醐味を存分に見せて

くれた試合だったと感じています。

上がり3ホールでの4人の死闘は、

史上まれにみる守りのゴルフの

生き残り戦でした。

16番で井戸木鴻樹が、チップインバーディを

奪い、3アンダーとした時点で

4アンダーのミノザ、室田、中嶋との4人が

優勝圏内。

最終的には、18番ホールの第3打で

ピン横まで突っ込んでいけたミノザに

勝利の凱歌が上がりましたが、

それにしても見所の多い終盤戦でした。

この4人が、上がり3ホールにさしかかった

頃、強雨となり、アイアンの距離感と

ラフからのショットが難易度が晴天の時より

2ランクも3ランクも上がったのは、

確かでした。

見所の最終18番パー5。

第3打をミノザ以外は、

残り135~155ヤードのショートアイアンでの

ショットを20ヤードくらいショート。

これって普通は、トッププロではあり得ない

ことなのですが、この日は、雨の強さと

ラフの抵抗(水で重くなる)、それに終盤の

気温の低下と3重苦に見舞われて

いたせいで、奥に切ってあった

ピンへ突っ込もうとしたのに、

20ヤードもショート!!

それくらい雨のゴルフは、他の飛距離減の

要因が加わると、想定外に飛ばない

現象が起こるということです。

奥ピンに向かいオーバーを嫌い、

最低限グリーンに乗せることを考えると、

トッププロといえども、これだけショート

させてしまうという現実。

これをどうご覧になりますか?

唯一、果敢にピンを狙い、ピン右横の

カラーまで運んだミノザの

したたかさには恐れ入りましたが、

この状況には、ゴルフの難しさ、面白さが

詰まっています。

前回のブログで強風下では力みが

禁物と書きましたが、この状況は、

力みすぎは禁物ですが、さらに

グリップのゆるみ、滑り、それと

体のバランスの崩れも禁物です。

グリップがゆるまない範囲で

力を込めてショットしていく

難しさがあります。

言葉で表現するよりも、このことを

実践するのがいかに難しいことか。

雨で苦労したことの多い人ほど、

体でお分かりになっていらっしゃると

思います。

もし私が、この強雨の中、上りで

残り150ヤードのアイアンショットを

奥ピンに向かって打つとしたら、

普通は、6番(7番で150ヤードですから)で

大丈夫だと考えますが、

それだとグリーンにも乗らず、大ショート

させてしまうと思います。

奥のピンまで打つなら、3番手上げて

4番アイアンが妥当でしょうね。

それくらい強雨では、キャリーもランも

大幅に落ちます。

しかも上りです。

180ヤードのキャリーボールをきっちりと

打って、やっとピンの手前5mくらいの

所に運べるでしょう。

しかも、4番アイアンになれば、ミート率は

格段に落ちますから、右へプッシュして

トラブルにもなりかねません。

それにボールが深いラフなら、7番が使えれば

御の字。8番か9番で打つことになり、

刻むことになります。

残り150ヤードで刻まなくてはいけない!?

そんなことあり得ない?

でも、これは、現実だと思います。

技量がなく、ヘッドスピードが遅いほど、

厳しい現実が待っています。

ですが、ここで諦めてはいけません。

刻んだからには、寄せてワンパット。

これで、パーがとれます。

だからこそ、アプローチとパットが

重要になってくるんですよね。

仮に私はユーティリティを使ったとしたら、

グリーン奥へこぼれるのを恐れて

おそらくインパクトを緩めるでしょう。

そうなれば、ボールはショートするだけでなく、

左右に散ります。

これまで雨のゴルフも数多く経験

してきましたが、クラブ選択が難しいです。

確かに、特に上りの状況で

どれだけ距離が落ちるのかの

見極めが難しいと思います。

その場、その場で場数を踏んで

判断していくしかないのですが、

最近は、大き目のクラブを短く

持って打つことも効果ありかな!?

と考えています。

それには、各番手をどれくらい

短く持ったら、どれくらい飛距離が

落ちるかを普段の練習で

把握しておきたいものです。

それにしても、オールマイティで

全てのショット(パットを含む)で

穴の少ないミノザが優勝したのは、

コース状況を見れば、分かるような

気がします。

ドライバーもアイアンのように正確に

運ぶ井戸木鴻樹選手。かつて米ツアーで

比類なき正確なショットというと、

ジーン・リトラー、カルビン・ピート、

コーリー・ペイヴィンの名前がありますが、

井戸木選手は日本ではそういう類の

筆頭では?小柄なゆえ、飛距離が

あまり出ない分、正確性を磨いた

のでしょうか?軽いドローで

思うところに運んでいるように見えます。

そして、シニアというと、中嶋、室田

両選手の技術に裏打ちされたしぶとさ。

パワーもありそうですね。

この4人の死闘は、日本シニアオープンの

歴史を彩る名勝負に入れたいと

思います。

 



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