「アヴェ・ヴェルム・コルプス」で安らかに新年を迎えたい!

2011-12-31 15:51:08 | 音楽の思い出

大晦日、新年へのカウントダウンが始まりました。

今年も色々有りましたが、今日は、1年の締めくくりも兼ねて

学生時代の男性合唱、グリークラブOBが創部85周年を記念して開いた

神戸でのコンサート収録のDVDを見ていました。(残念ながら、その舞台には

上がれませんでしたが)

学生時代よく歌った”黒人霊歌”。

これは、モーツァルトやショパン、フォーレなどが書いたレクイエムにも

似た感情が盛り込まれています。黒人と神との対話・・・・・救いの道を

求めて、今のもがき苦しむ奴隷のような生活から脱却するための

祈りや希望が切実に歌い込まれています。

それから、清水脩(しみず おさむ)作曲の合唱組曲「月光とピエロ」。

これには、サーカスで出てくる道化役のピエロの哀しみ(ペーソス)が

歌で表現されています。悲しくても笑顔を見せ、周りのものを楽しませたり

安心させたり・・・・・・まさに、人格者の思いを悲しくも切なく

音で歌詞でだしているのです。

こんな素晴らしい曲をOBが歌うのを聞くに付け、改めて

音楽っていいなぁ、と感じました。時空を越えて、昔の仲間と

つながりあっていることを感じるのです。

舞台には、脳の病で下半身が麻痺し、杖をついて歌う先輩の姿も

ありました。それに遠くニューヨークから神戸へ駆けつけてきた先輩の

姿も見られました。家庭を顧みずに(?)歌や指揮に没頭している

人の姿も見られました(笑)。

何十年も経ってこんなに同じ歌を歌うことが好きなままって

最高なことだと思います。

アンコールは、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」と

日本の唱歌「ふるさと」の2曲でした。

モーツァルトが天に召される直前に仕上げた穏やかな

合唱曲です。安らかな気持ちになれる指折りの曲だと

感じ続けてきました。人間として自然な状態に解放されていく、

まさに天に溶けていく歌のような気がします。

大晦日に、昔の仲間が歌うこの2曲を聴き収めできたのは、最高でした。

また、皆さんにとっても、新年が良き年になりますように、

お祈りします。